前走の日経賞で4年ぶりの芝レースに出走し、5着だったハヤヤッコ。2歳以来の芝レースで、未知の2500mという難解な条件での5着は大健闘と言って良いだろう。
今回はさらに距離を伸ばしてG1の天皇賞(春)挑戦とさらにハードルは上がるが、力のいる阪神コースは合いそうで、スタミナ勝負の方が良さが出るタイプなだけに侮れない存在となる。
また、ダートでは追い込み一辺倒だった同馬だが、前走では芝ですんなり先行できた点も好感が持てる。しかも上がり3Fはメンバー最速の34秒6と最後の脚も使えており、良い意味で期待を裏切る走りを展開してくれた。急坂コースはダートで鍛えたことが生きてくるだろうし、もともとダートでも2000m以上の長い距離で結果を出していた馬。阪神の長距離はむしろうってつけの条件と言って良いのではないだろうか。
さらに鞍上は春の天皇賞で最多8勝を挙げる名手・武豊騎手となれば、期待感も高まってくる。2019年春に3度コンビを組み、1勝クラスで2着、1着、オープンの青竜S・8着という実績で、今回は青竜S以来実に約3年ぶりのコンビ復活となる。武豊騎手は直近3戦のG1戦で3着・2着・3着と安定しており、大舞台ではやはり買える騎手だ。「長距離は騎手で買え」という格言が囁かれる同レースなら、なおさらおさえておく必要があるだろう。
同じシラユキヒメ一族で母マシュマロの半弟になるシロニイは、昨年の天皇賞(春)に出走し16着敗退。白毛馬2頭の競演は叶わなかったが、同じスタミナ自慢の白毛馬ハヤヤッコが、シロニイに変わって一族の仇を打つか。ここで好走すれば今後のレース選択の幅も大きく広がってくるだけに、大きな意味を持つ一戦となりそうだ。