始めに過去2年の重賞競走、本年の先週までの重賞競走と天皇賞・春を比較をし、人気サイドで決まりやすいのか、または波乱が起きやすいのかを判断する。
- | 2020年 | 2021年 |
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人気両立(回・%) | 35 (27%) | 30 (23%) |
人気着外(回・%) | 24 (19%) | 26 (20%) |
3連複万馬券(回・%) | 66 (51%) | 63 (49%) |
ワイド払戻金 | 10,380 (80%) | 8,070 (63%) |
- | 2022年 |
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人気両立(回・%) | 11 (23%) |
人気着外(回・%) | 9 (19%) |
3連複万馬券(回・%) | 19 (40%) |
ワイド払戻金 | 4,330 (92%) |
- | 過去10年 |
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人気両立(回・%) | 2 (20%) |
人気着外(回・%) | 1 (10%) |
3連複万馬券(回・%) | 7 (70%) |
ワイド払戻金 | 540 (54%) |
※ 人気両立は「1・2番人気ともに馬券圏内」、人気着外は「1・2番人気ともに馬券圏外」、ワイド払戻金は「1・2番人気でワイド馬券を全レース購入したときの回収率」をそれぞれ示す
上記の表を元に考えると、1・2番人気ともに馬券圏内が2度、1・2番人気ともに馬券圏外が1度で、1・2番人気が馬券に絡むことが多いと判断できる。しかし、3連複の万馬券が7度もあり、波乱要素は大いにあるレースと言える。
レースの勝ちタイムとラップタイム(前半5F・10F)から傾向を探ってみた。
2021: 3.14.7(59.8-2.01.3-37.4)3-1-4人気
2020: 3.16.5(63.0-2.03.4-36.0)1-11-4人気
2019: 3.15.0(59.8-2.04.0-34.5)1-6-8人気
2018: 3.16.2(60.1-2.02.8-35.9)2-1-4人気
2017: 3.12.5(58.3-1.59.7-35.5)1-4-2人気
2016: 3.15.3(61.8-2.03.5-35.0)2-13-3人気
2015: 3.14.7(61.4-2.03.2-35.3)2-7-10人気
2014: 3.15.1(61.7-2.03.4-34.8)4-3-12人気
2013: 3.14.2(59.4-1.59.7-36.3)2-3-6人気
2012: 3.13.8(60.0-2.01.9-36.5)14-3-2人気
各ラップを平均すると3.14.8(60.5-2.02.3-35.7)となった。
勝ちタイムが近かった年は何度かあったが、ラップタイムが似たような時はなかった。さらに、今年も阪神開催となり、ラップタイムがどうなるかを予想するのが難しい。だが、1つだけ言えることはG1競走なので、スローペースになることは少なく、上がりタイムがかかる結果になるだろう。
さらに、先週日曜日のレースを見る限り、芝の傷みは進行してるように見えた。スタミナ比べになれば、人気サイドに決まりそうだが。
ここからは、有力馬を深堀してみよう。
今年こそ悲願のG1タイトルを!堂々の主役!ディープボンド
昨年の2着馬であり、今年も阪神大賞典を制して参戦となる同馬は、堂々の主役と言える。昨年の同レースはG1好走実績がない状況で、1番人気に支持された。
結果は惜敗となったが、前半5F59秒台を4番手追走し、3000m通過タイムが3.01.7とかなり速い時計で走った。同馬は阪神大賞典勝利・菊花賞4着の戦歴はあったものの、持ちタイムは3分6秒台という状況、かなり時計を縮めたことで、ステイヤー能力は高いものと示した。
昨年は凱旋門賞に挑戦し、結果は大敗となってしまったが、暮れの有馬記念は僅差の2着、今年の飛躍を期待したくなるレースをしていた。馬場が悪化してタフなコンディションでも好走・時計勝負になっても好走と一見、死角はないと思える。
だが、少し気になる点がある。
前走は休み明けで、やや反応の鈍さがあり、最後は捕らえたという形だった。2着馬の石橋騎手が勝った馬は強いと言っていただけに、着差以上の強さと判断しても良いかと思うが、同馬の好走パターンは、上がりタイムのかかった時だ。
今回、有力な逃げ馬がいる。昨年と同様に強気先行で、徹底マークする形に取れば問題はないと思うが、仮に、中団かそれより後ろの位置取りで、上がりが速くなるようなレース展開になった際に届かずのシーンを少なからず想像しておくべきかと。
また、過去10年で単勝1倍台に支持されたことが3回あったが、全てが着外。打開できる実力の持ち主ではあるが、いかに!
去年の菊花賞馬、明け4歳代表として参戦!2つ目のG1タイトルを!タイトルホルダー
昨年の菊花賞は見事な逃げ切り、前哨戦の日経賞も制して、明け4歳馬の代表としての参戦となる。また、今回、展開のカギを大きく握っている同馬、出方には注目をせざるを得ない。どんなレースをするのか探ってみよう。
まず、去年の菊花賞だが、前半5F60.0と過去の天皇賞と比べても速めのラップで行った。だが、その後の5Fで一気にペースを落として2.05.4で通過をし、上がり35.1でまとめて圧勝。ペース配分は恐れ言ったと言えるほどだった。
次走の有馬記念はパンサラッサが速めのペースで逃げたこともあり、2番手追走となったが、5Fのラップは60.5ぐらいだっただろう。4角から先頭に立ち、残り1Fまでは粘っての5着、積極的なレースっぷりは評価できるものだった。
前走はどのようなレースをするか注目していたが、5Fを63.6のスローペースにし、上がり34.7でまとめて勝利だった。
では、今回、タフなペースを刻むのか?スローペースにするのか?どちらの手を使うのか分からなくなってきた。
菊花賞・有馬記念の内容からすると前者の方が優位に立てそうに思えるが、対ディープボンドを考えるとマイペース逃げが叶うのならば、無理に行くことはないだろう。
その場合、日経賞のパフォーマンスを見ると、他馬との力差はそこまでない可能性があると思えるが、いかに!
人馬ともに悲願のG1取りへ!連勝中の勢いそのままに!テーオーロイヤル
未勝利戦を勝利した後に挑戦した青葉賞では、0.1秒差の4着、あと一歩でダービー出走が叶うところだった。その後は1・2勝クラスを連勝し、11月の阪神2400mの3勝クラスの競走を2.24.9のタイムで勝利した。
同コースの3歳馬となると、例年神戸新聞杯が行われる。ペースの違いが勝ちタイムに大きく左右するレースであるが、同タイムは3歳世代では重賞クラスと言っても良いほどに思える。
次走のダイヤモンドSでは、直線で堂々と抜け出して完勝、3.30.1のタイムは近10年で最速タイムだった。また、3000m通過タイムが3.06.0であり、菊花賞と比べると1.4秒差になるが、3000m戦で換算すると、確実にタイムは縮めることはできるだろう。明け4歳馬の代表はタイトルホルダーと表現したが、同馬の戦歴から、最大の惑星候補と言えるだろう。
だが、課題はある。前走より斤量が4キロ増え、58キロになる点だ。
過去にダイヤモンドSを3勝し天皇賞2着に好走したフェイムゲームも4歳時、ダイヤモンドSを斤量55キロで3.30.2で勝利し、その後、天皇賞に挑戦したが、6着に敗れた。2着に好走した際は、前走で58キロを背負って同レースを連覇していた。
テーオーロイヤル自身、馬体が450キロ台であり、斤量負けの心配が拭えない。
しかし、今年のG1は伏兵馬の活躍が多い。人馬一体のドラマチックな展開もあった。同馬が勝てば、感動的なシーンが想像できる、託すのも良いだろう!
最後になるが、有力馬の騎手が4年ぶりのG1制覇を目指す和田・G1初制覇を目指す横山和・菱田となる。
長距離は騎手の手腕が問われるとも言われる。どのような決着になるのかとても楽しみになりそうだ。