JRAは23日、同日西谷凜騎手が福島1Rでダンツカプリに騎乗した際、負担重量に関する注意義務を怠ったため、24日から裁定委員会の議定があるまで騎乗停止となったと発表した。これにより、24日の福島で騎乗を予定していた2鞍は乗り代わりとなっている。
西谷騎手は1R前の検量で定められた53kgを0.2キロ超過。レースは施行規定に基づいて騎乗したが、レース後に事情聴取を行った結果、保護ベストのクッションを抜いていたことも判明した。
同騎手は昨年5月1日の新潟でも体重調整に失敗して脱水症状を起こし、全鞍乗り代わりで2日間の騎乗停止となっている。また、今年の2月19日の小倉でも53キロで騎乗できず乗り替わりとなり、30日間の騎乗停止処分を受けている。以上の点が考慮され、裁定委員会の議定があるまで騎乗停止の制裁となった。
西谷凜騎手の身長は166.5cmと騎手としては高く、父である西谷誠騎手も同様に174cmと高身長で、現在競馬界で最も身長が高い騎手として知られている。身長が高い事で腕の長さを生かしたダイナミックなフォームが可能になるなど、プラスの面もあるため、リーディング争いにおいては低身長の騎手と比べてもさほど優劣は無いだろう。しかし、一般的に高身長ほど体重調整が難しいとされる騎手業界においては、高身長の騎手はレースのスタートラインに立つだけでも一苦労する。
元ジョッキーである武幸四郎調教師や兄の武豊騎手なども高身長の騎手として知られるが、長いリーチを生かした騎乗フォームの矯正に取り組んでハンデをプラスにしてきた。3月に新人騎手がデビューして減量騎手の競争率がさらに高まっている中での度重なる調整失敗は、デビュー2年目の若手騎手にとっては厳しい現状だが、まだ先のある騎手だけに乗り越えて成長してもらいたい。