ニューヨーク州ベルモントパーク競馬場で現地時間で6月10日(土)に開催されるアメリカ三冠の最終戦ベルモントステークスへ今年は日本からエピカリス(牡3 美浦・萩原清)が挑戦する。昨年ラニが挑戦した際には3つ全てに出走しただけで称賛の声もあったように非常にタイトなスケジュールで三冠レースが組まれている。
5月6日チャーチルダウンズ競馬場でケンタッキーダービーが開催され、東へ約600マイル向かったピムリコ競馬場で5月20日にプリークネスステークスが、そして更に北東へ200マイル強移動し来る6月10日にはベルモントSが開催される。わずか1ヶ月の間に800マイル超を移動しながら行われるのがアメリカの三冠レースなのだ。道路事情も異なるため単純比較に意味はないが800マイルと言えば東京から札幌を超えて旭川までたどり着ける距離となる。
その過酷さを示すかのように、緒戦のケンタッキーダービーでは19頭の出走があったにもかかわらずプリークネスステークスへ連戦を果たしたのはそのうちたった5頭で、出走頭数も10頭へと激減する。中1週でG1に挑むなど現在の日本の競馬から比較すれば想像もできないローテーションだろう。今回のベルモントステークスへは15頭がエントリーしているが、ケンタッキーダービーとプリークネスSそれぞれの勝ち馬オールウェイズドリーミングとクラウドコンピューティングはベルモントステークスを見送った。今年3冠レース全てに挑むことになるのはクラシックエンパイアただ1頭のみとなった。調べれば調べるほどに2015年に三冠を達成したアメリカンファラオの偉大さが浮き彫りになってくる。プリークネスSからの連戦組だけでもクラシックエンパイア含めて全4頭しかいないなど、日本のクラシックの常識とは差が多い。
クラシックエンパイアも4着、2着と着順をあげながら完走するあたりは、強行軍によるダメージはあるもののあなどれない存在である。UAEダービーではエピカリスと接戦の末アタマ差はじめての先着を許したサンダースノーがケンタッキーダービーへと挑戦したが、残念ながら出走直後に競走中止となってしまったため、エピカリスと他出走馬の力関係の指針とすべきものが非常に少ないのが現状。海外クラシックへの単身挑戦のため出たとこ勝負なのは仕方のないところ。過酷な三冠レースの最後だけ参戦したほうが有利であるというセオリーもあり、日本とUAEでのエピカリスのパフォーマンスを見る限りでは不安よりは期待のほうが勝っている。発走は現地時刻で土曜日の18:37、日本時間では日曜日の午前7:37となっている。週末にはエピカリスがビッグタイトルを獲ったニュースで盛り上がりたいものだ。