朝日杯FSの2・3着馬、セリフォスとダノンスコーピオンが人気の中心となりそうなNHKマイルCだが、ニュージーランドTを逃げ切り破竹の3連勝を飾ったジャングロも上位の一角だ。
前走のニュージーランドTは好スタートを切ってハナを取ると、直線で粘り腰を発揮し、外から強烈な脚で追い込んできた1番人気マテンロウオリオンを振り切り、これにアタマ差をつけ勝利。
3走前の中京2歳Sでもハイペースで逃げ、後続を全く寄せ付けず、2歳レースレコードを更新する圧巻の内容で勝利。2走前のマーガレットSでは4番手から進め、一転して控える競馬を展開。好位抜け出しの競馬で快勝した。スプリント2連勝からマイル重賞のニュージーランドT快勝と、昨年秋からの上昇具合は目を見張るものがある。東京マイルは4走前のベゴニア賞で6着に敗れている舞台だが、逃げて0秒2差の6着と大きくは崩れておらず、着実な成長力を見せている今なら高いパフォーマンスも期待できそうだ。
ジャングロは父More Than Ready、母Goodbye Stranger、母の父Broad Brushという血統の米国産馬。父のMore Than Readyはダート1400mの米国G1・キングスビショップSを制した快速馬。引退後は種牡馬としても活躍し、BCスプリントを連覇したロイエイチや、2020年のアメリカ芝女王のラッシングフォールなどを輩出。どちらかと言えばスプリント寄りの血統だが、控える競馬やマイル重賞を制している実績からも、十分対応は可能だろう。
そして鞍上はNHKマイルCは騎手として最多タイの3勝を挙げている武豊騎手。ジャングロを管理する森調教師とは97年にシーキングザパールで快勝しており、陣営も全面的な信頼を置く。
武豊騎手自身も、同馬を含めた陣営への評価は高い。「トップスピードに入るのも速いし、いい走りをする」と同馬のスピードを評価する一方で、オーナーである藤田氏についても「すごいね。最初に購入した馬たちの1頭。馬主審査が通る前に購入されていた馬だからね」とオーナーの相馬眼も評価。実際、オーナーとして1世代目で重賞初制覇を果たした実績は流石としか言いようがない。
懇意にするオーナーの期待を背負い、次は初G1のビッグタイトルを狙う。府中にも“ウマ娘”旋風を巻き起こせるかに注目だ。