今週は日本時間の11日(日)に米国のニューヨーク州にあるのベルモントパーク競馬場でベルモントステークスが開催されます。このレースは5月上旬に行われるケンタッキーダービー、中旬に行われるプリークネスステークスに続き中1週で続くアメリカ三冠の最終戦です。
昨年は日本馬のラニが3戦全てに参戦し、9着→5着→3着と大健闘しましたね。最終戦のベルモントステークスは6番人気でしたが後方追走から最後の直線で押し上げて3着に入線し、巻き返しを果たしました。
今年は日本からはエピカリスがベルモントステークスに参戦。ラニとは違って先行タイプの馬ですが、1600~1800mを連勝し、1900mのUAEダービーでも2着に健闘しているあたりはラニと共通するところがありますので、最終戦の一戦に絞っていることからも好走が期待されます。
混戦模様の米国三冠最終戦!
海外レースの予想は力関係の比較が難しいところではありますが、おそらくエピカリスは海外でもある程度の人気を集めるでしょう。というのも、一冠目のケンタッキーダービーを制したオールウェイズドリーミングは体調下降の様子もあり、ベルモントステークスを回避することを発表。さらに二冠目のプリークネスステークスを制したクラウドコンピューティングも同競走を回避することが決定したのです。
三冠のうちの二冠の覇者が回避したことで最終戦は有力馬が不在の状況となっており、エピカリスにもある程度の人気が集まることが予想されます。
当日はJRAの独自オッズによってオッズが決まりますが、英国の老舗のブックメーカーのウィリアムヒルのオッズを見てみると、現時点(6/7)では以下のような内容となっております。
馬名 | オッズ |
---|---|
クラシックエンパイア | 2.87 |
ルッキンアットリー | 6.00 |
エピカリス | 6.50 |
シニアインベストメント | 8.50 |
アイリッシュウォークライ | 9.00 |
タップリット | 11.00 |
ゴームリー | 15.00 |
ジェイボーイズエコー | 17.00 |
マルチプライヤー | 17.00 |
ミーンタイム | 21.00 |
ハリウッドハンサム | 26.00 |
パッチ | 26.00 |
ツイステッドトム | 26.00 |
現在の1番人気はケンタッキーダービー4着、プリークネスステークス2着のクラシックエンパイア。2番人気はケンタッキーダービー2着、プリークネスステークス4着のルッキンアットリーとなっており、日本馬のエピカリスは3番人気となっております。
この上位3頭のみで比較した場合の私なりの見解を以下に述べたいと思います。
クラシックエンパイア
この2戦の好走ぶりからも人気となりそうではありますが、今回は500mも距離が延長され、中1週続きの3戦目となるとさすがに疲れが心配です。雨でドロドロの不良馬場となったケンタッキーダービーではスタート直後にひどくぶつけられ、後方からの競馬を余儀なくされるも地力で押し上げての4着と、初戦からタフな競馬をしています。
続くプリークネスステークスでは内枠に入れたこともあり番手から進めることができました。4コーナー過ぎて勝ち馬には差し切られましたが、3着馬には5馬身差と後続を大きく離しての2着でした。
プリークネスステークスは2着と好走しましたが、個人的にはこの1戦が無ければベルモントステークスではある程度重い印が打てたのかなと思いますが、この二冠をこなしたお釣りで何とかなってしまうほど簡単なレースにはならないと見ております。
ルッキンアットリー
こちらはケンタッキーダービーで最内1番からのスタートで、内ラチ沿いの後方から追走。内は勝ち馬のすぐ後ろで視界は良好、逃げ馬のスタミナが切れ下がってきたところを突いて2着に入着しました。13番人気と低評価の馬でしたが、不良馬場、展開が向いて経済コースを守り抜いたことで穴を開ける形となりました。
続くプリークネスステークスでは最後方からの競馬で、大外ぶん回しの4着。ケンタッキーダービーでは4着だったクラシックエンパイアに差を付けられ巻き返される結果となりました。4月のアーカンソーダービーでもクラシックエンパイアの3着に敗れましたが、ケンタッキーダービーの前後の2戦ではクラシックエンパイアに力負けをした形となっており、地力決着では厳しそうな印象があります。この馬もレース数はかなりこなしており疲れの心配もあることから、クラシックエンパイア以上に評価を落とす必要があると見ています。
エピカリス
日本での活躍はもちろん、UAEダービーでも2着と初の海外遠征も克服しており心強い馬です。UAEダービーで負かされたサンダースノーがケンタッキーダービーで競走中止となってしまい、物差しとなる馬がいなくなってしまったので今回は比較が本当に難しいところです。
今回は能力面と適性面における見解だけ書かせて頂きます。現在、馬場は雨で重くなっているベルモントパーク競馬場ですが、UAEダービーは砂の重馬場で2着でしたし、これまでのレースを見る限りでは土の重馬場は少なくともマイナスにはならなそうに思えます。最終コーナーで3~4番手以内の馬が勝つケースが多いベルモントSにおいて、この馬の先行力は非常に強い武器となりますし、単純に能力だけで言えば足りています。あとは輸送と初舞台に対応できるかというところくらいでしょう。
2400mの距離は全ての馬にとって初ですから条件は同じ、昨年のラニがここの馬場に対応している例もありますし、長距離輸送も経験済みで十分休養も取れているこの馬は条件的にはかなり良いと見ています。日本馬として初めて米三冠レースを戴冠する可能性は高いと見ても良いでしょう。
ベルモントステークスの国内での発売時間は6月10日(土)の19:30。発売締切時刻は発走予定時刻である6月11日(日)7:37(現地時間10日(土)18:37)の4分前まで。