ハナズゴールなどの馬主で知られるマイケル・タバート氏が、「ニューワールドレーシングオーナーズ」というオーナーズクラブを立ち上げました。同クラブはタバート氏自身が代表取締役社長を務めるハナズリトルファーム株式会社によって運営され、「日高地方を盛り上げていく」ということをコンセプトをもとに設立されました。
オーナーズクラブとは、JRAの馬主資格をもっている馬主へ向けたクラブで、1頭を10口に分けて共同所有する1/10の一口馬主制度のもと運営されております。メリットとしては、まるごと1頭を所有しなくとも1口でも持ち分のある方であれば、馬主登録を抹消されることはありませんので、より手軽に、息の長い馬主ライフを楽しむことができる点があげられます。
入会費・毎月会費・年会費は一切なし!馬の情報は“ガラス張りのシステム”で開示
今回タバート氏が立ち上げたニューワールドレーシングオーナーズは、運営に関する費用の請求(入会費、毎月会費、年会費)は一切なし、募集馬引退までの運営に関わる事務手数料及び賞金分配時の手数料等は一切なし、といった金銭的な敷居の低さや、育成が始まってから引退までの毎日の情報更新、レントゲン・喉検査の映像など、獣医チェックの元となる情報を全て開示、といった開けっ広げな情報開示が運営方針として掲げられております。
同クラブのホームページを見ると、募集馬のレポジトリーがしっかりと公開されております。ホームページの冒頭でも記述されているように、馬についての情報は「ガラス張りのシステム」で開示していく方針であることが分かります。募集馬は1歳馬6頭の募集から開始しております。詳しくはホームページ(https://newworldracing.jp/)をご覧ください。
育成は浦河のカナイシスタッドで行われますが、ここはタバート氏の管理馬ハナズゴールが育成された場所でもあります。「せっかくいい馬を作れるのに経営的に苦戦している牧場が多いので、少しでも応援できれば」という想いのもと今回のオーナーズクラブを立ち上げ、日高地方を盛り上げていきたいという想いをホームページのインタビューで語っております。
インタビューの内容や、こういった独自の運営方針からも、お世話になった人々へ恩返しをしたいという気持ちや、日高地方を盛り上げていきたいというタバート氏の気持ちが伝わってきます。
実際、馬主資格を持っていない我々一般人にはあまり関係のない話かもしれませんが、馬主資格を持っている人々にとってはローリスクで馬を持てますし、資金も抑えることができます。とくに日高の生産馬ですから、生産者のみんなで分かち合ってリスクを分散していこうという試みは日高の生産者たちにとっては有り難いことだと思いますし、これに賛同する人々が増えれば日高の馬産の活性化にも繋がってくるでしょう。
個人的には、社台ブランドという部分が大きく幅を利かせている現在の競馬業界で、社台以外のクラブがこういった新たな試みを始めて頑張っている姿を見ると、やはり応援したくなります。新たな試みが今後どういった変化をもたらすのか?今後も注目していきたいと思います。