私の競馬友達の中には、秋春のG1シーズンが終わると競馬を買わなくなる人が多くおります。「G1専門だからパス」「知らない馬多いし、難しいからやらない」「降級とか古馬と初対戦とか、わけわからないからやらない」などなど、色々な理由があると思います。
今回は夏競馬をやらない人たちへ向けて夏競馬の魅力を伝えるというよりはなぜ夏競馬をやらないのか?という理由について深く考えてみたいと思います。
なぜG1だけを買い、夏競馬はやらないのか?考えられる“2つ”の理由とは?
上記で記したような理由もやらない理由としては十分なのですが、私の中では何故かどれもしっくりときません。なぜG1だけを買うのか?なぜ難しいからやらないのか?G1だから簡単だと言うわけでもないですし、G1と同じように夏も出走馬のことをしっかり調べれば知らない馬のこともわかるはずです。
私なりに考えてみたのですが、これはとくに日本人の多くに見られる「バンドワゴン効果」が大きく関係しているのではないかと考えてみました。
バンドワゴン効果とは、「みんながやっているから安心だ」「流行っているからほしい」といったような心理を与える効果のことを言い、簡単に言えば「周りのみんながやっていることなら正しい」と思わせる効果です。ちなみにバンドワゴンとは、行列の先頭の楽隊車のことを言い、アメリカの経済学者であるハーヴェイ・ライベンシュタインが創作した用語になります。
これが夏競馬をやらない理由とどう関係があるのか?まず、冒頭で記した理由の「G1専門だからパス」といった理由でやらない人たちは、おそらくですが、G1レースはテレビCMや街の広告などでも大々的に宣伝しており、大勢の人が購入するであろうということが容易に想像出来るので、自分も多勢に与して購入するのでしょう。
これは、多数に受け入れられている、または流行しているという情報が流れることでその選択への支持が一層強くなることを指すバンドワゴン効果そのものと言えるのではないでしょうか?
それでは「難しいからやらない」という場合はどうでしょうか?まず、なぜ難しいと感じるのか、が問題ですが、おそらく知らない馬が多いことや、降級馬やハンデ戦といった普段は聞き慣れない要素が新たに加わることで難しく感じてしまっているのだと思います。
これについてはバンドワゴン効果とは少々違うかもしれません。ローマ帝国の政治家で哲学者でもあるセネカという人物が言った言葉で「難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから、難しくなるのだ。」という名言があるのですが、この言葉は行動心理的に当てはまるのではないでしょうか?
何事もやらなければ難しそうに感じるもの、しかし、やってみると意外と簡単だったりする。といったような内容のことが汲み取れる言葉だと思うのですが、意味合いとして「食わず嫌い」みたいな言葉が近いかもしれませんね。
G1レースもちゃんと予想が出来ているなら、おそらく夏競馬もちょっとやってみればそこまで難しいと感じることはないと思います。競馬を始めたばかり頃、馬券の種類や馬柱の見方を覚えたのと同じように、降級馬やハンデについて覚えればいいだけの話ですし、難しさで言うなら競馬を始めた頃の方がはるかに難しいわけですから、「やろうとしないから難しくなる」という言葉はしっくりくるような気がします。
ただ、「的中させる難しさが夏競馬の方が難しい」という意見もあると思います。これについては確かに納得せざるを得ない部分もあると思います。降級馬やハンデのシステムがあることで力関係の見極めが難しくなるのは事実ですし、競馬場もローカルの競馬場のコース適性を把握しておく必要があります。ただ、それに合わせて馬券の買い方を変えたり、ローカルの競馬場について調べるなどして新たな知識を増やして対応することで、夏競馬は夏競馬なりの楽しみ方ができると思います。
今春のG1シーズンは波乱も多いレースでしたし、上記のことができれば的中させる難しさなんていうのはG1も夏のローカルG3もさほど変わらないのではないでしょうか?
以上、今回は「なぜ夏競馬をやらないのか?」ということをテーマとし、その理由について「バンドワゴン効果」と「食わず嫌い」という2つの理由を挙げてみました。これまで夏競馬は何となく手を出せずにいたという方は、この機会に夏競馬に挑戦し、夏だからこその競馬の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか!