夏の福島2週目は「第53回七夕賞」が開催されます。ここ5年、毎年二桁人気の馬が必ず絡んでおり、高配当を狙った馬券で勝負をしようと思っているファンも少なくないのではないでしょうか?近年は人気が割れる印象が強い七夕賞ですが、今年はわりと人気馬がはっきりしております。
今週は台風の影響もあって馬場の見極めも非常に重要となりそうですね。堅い決着となるのか?大荒れとなるのか?今年の有力馬を考察していきながらレースを展望していきたいと思います。
七夕賞2017のレース展望、今年の有力馬4頭の見解
今年の主役はマルターズアポジー(牡5、美浦・堀井雅広厩舎)。20戦というキャリアの中で、一度もハナを譲ったことがない今時は珍しいタイプの生粋の逃げ馬です。この馬のウリは小回りコースの適性の高さ。福島では[3-0-1-0]と一度も馬券を外したことはなく、福島記念と小倉大賞典を制し重賞でも適性の高さをしっかりと発揮して快勝しました。今回はこれまでで一番重いトップハンデの57.5kgを背負うので、これがどう影響するか。レースの展開を左右するキーホースとなりそうです。
続いて人気を集めるのはゼーヴィント(牡4、美浦・木村哲也厩舎)。実績・人気ともにマルターズアポジーに負けておりません。通算9戦中3着内が7戦と安定した走りが魅力です。昨年はラジオNIKKEI賞を優勝し重賞初挑戦にして初勝利を挙げ、その後はセントライト記念、福島記念、アメリカJCCと3戦連続で2着に入着。
福島記念では1kg軽かったマルターズアポジーに1馬身半差届かず逃げ切られましたが、今回は逆にゼーヴィントが0.5kg軽い57.0kgでの対決となります。小回り適性の高さとどんなレースでもしっかり脚を使える安定感で逆転を狙います。5ヶ月の休み明けで、この後札幌記念という目標もあるので仕上がりの面が心配ですが、能力的には1枚上なので大きく崩れる姿は想像しにくい一頭です。
近走復調の兆しがみえてきているマイネルフロスト(牡6、美浦・高木登厩舎)も人気は上位でしょう。3歳時は毎日杯優勝、ダービー3着という実績がありますが、その後はG2・G3で苦戦し、その後の重賞では勝ち星に恵まれずに今年6歳を迎えました。
しかし、2走前からブリンカーを着用すると新潟大賞典で2着、続く鳴尾記念で3着と初めて重賞で2連続で馬券に絡み一変します。ハンデは57kgですが、新潟大賞典と同じ斤量で慣れた斤量です。3年3ヶ月ぶりの重賞制覇のチャンスをものに出来るかどうか。馬具の効果は出ているので、近2戦の走りを重視して評価したい一頭です。
ヴォージュ(牡4、栗東・西村真幸厩舎)は今回が重賞初挑戦のナカヤマフェスタ産駒。同産駒として初の重賞Vを狙います。準オープンを連勝中で、前走は重賞2着の実績があるプロディガルサンを封じての勝利でした。重賞でも通用する力は十分ありますし、2000m戦の好成績[5-1-1-0]と、2戦2勝と相性が良い内田博幸騎手で挑めるといった点からも、今回は好条件が多い一頭です。
以上、4頭の有力馬を簡単に考察してみましたが、個人的にはマルターズアポジーみたいは極端な馬は大好きですね。脚質上目立つので実力以上に人気を集めている部分は多少はあるかもしれませんが、武士沢友治騎手の通算300勝目もかかっておりますし、とにかく目が離せない一頭です。
あとは最後に紹介したヴォージュです。まさに夏の上がり馬といった感じで、戦績を見ると応援したくなる一頭です。まだまだ成長途中の馬だと思いますので、この先も期待できそうな走りを見せてくれるかが楽しみです。