2015年11月16日、京都の淀で女王が決まる。毎年トップクラスの牝馬が激突する「エリザベス女王杯」が京都2200mで開催される。出走馬の中で今年注目を集めているのは4歳牝馬の「ヌーヴォレコルト」だ。去年は世代最強牝馬と言われたハープスターを倒してオークスの女王に輝いたことで一躍注目を浴びた。オークス優勝後もエリザベス女王杯(2着)、秋華賞(2着)、桜花賞(3着)と牝馬限定戦でも安定した成績を残している牝馬である。
今年の中山記念は休み明け初戦だったにも関わらず牡馬混合戦で強い競馬を見せた。G1馬のロゴタイプら強豪牡馬を抑えて見事に優勝を果たした。続くヴィクトリアマイル(6着)と宝塚記念(5着)では力が足りずに負けてしまったが、前走の秋初戦のオールカマーでは2着に入着し、調子を取り戻してきている。秋の2戦目となるエリザベス女王杯では連続好走する可能性はある。昨年は同レースの2着馬で前走から調子が上がってきていると聞けば重い印を打ちたくなるが、不安要素がないわけではない。
不安要素として大きいのは「ラキシスの存在」である。ヌーヴォレコルト自身の不安要素というよりはライバルであるラキシスという馬の存在がヌーヴォレコルトが勝つ可能性を濁らせているといった感じか。京都の舞台では2着が最高のヌーヴォレコルトに対し、ラキシスは京都で2勝しており京都を走っている回数も多い。さらにラキシスは昨年のエリザベス女王杯覇者であり、ヌーヴォレコルトを負かして優勝している。連覇達成者が目立つエリザベス女王杯においてはラキシスの方が信頼度は上か?
他にも不安要素を挙げるとすれば、休み明け2戦目のレースはいずれも着順を落としているということだ。休み明けはよく走る一方で、2戦目はその上積みがあまり見られない。前走からさらに調子を上げてくるかどうかというところが判断しづらい一面があるので、追い切りの様子、馬体重、パドックでの様子などを見たり、その内容を伝えるデータを見るなどして判断していきたい。
上記では不安要素と言ったが、予想する時の判断材料だと思えば悪い印象はなくなる。ヌーヴォレコルトが能力の高い馬であることは冒頭でも十分分かっていただけたかと思うし、今年のヌーヴォレコルトの成長力に期待を寄せていることも確かである。ともに最強牝馬を目指すラキシスとヌーヴォレコルトの対決は、ぜひとも見たいと願わずにはいられない。