先週から6月に突入ということで、今年も早いもので半分が過ぎようとしている。競馬界では今週からサマーシリーズが開幕され、夏競馬がいよいよスタートする。今週末からは函館競馬が開催。開幕を飾る重賞はサマースプリントシリーズ第1弾「函館スプリントS」だ。
実績や勢いから、主役は3歳牝馬のナムラクレアが最有力か。昨年の小倉2歳S・1着、ファンタジーS・2着、フィリイーズR・2着と短距離路線で早くから頭角を現してきた牝馬だが、前走の桜花賞ではマイルにも対応して3着に好走。マイルでも十分通用することは証明できたが、マイル適性では上位に入着した2頭にはどうしても劣る印象を受けた。
今回、同馬の最大の“買い要素”となっているのが「1200m適性の高さ」と「50kgの斤量」の2点だろう。
特別切れる脚を持っているわけではないが、先行しながら程度堅実な末脚も使える馬で、好位差し切りがこの馬の好走パターン。スタートも上手く、気性も前向き。同馬の能力をストレートに発揮するには、やはり6F戦に限る。実際、1200mは昨年のフェニックス賞、小倉2歳Sを勝利と2戦無敗の実績で、馬体もまだ成長途上の段階とは言え、首と肩の筋肉が逞しく、トモにも丸みがあってスプリンター向きの筋肉質な馬体の持ち主だ。マイルからスプリントに戻るここは、信頼度も高くなるだろう。
そして3歳牝馬ということで斤量は最軽量の50kg。デビューから54kgを背負い続け、前走の桜花賞では初の55kgを背負ってのタフなマイル戦だった。今回は得意の1200m戦で、斤量も5kg減と大幅に条件は好転する。最重量を背負った前走からのショック療法ではないが、少なからずプラス方向への反動はあるはずだ。
また、主戦の浜中俊騎手が引き続きコンビを組むのも好感が持てる。しかし浜中騎手が50kgでも乗れる騎手だったことには驚きだ。馬以上に鞍上の状態面についても、当日はしっかりチェックして判断しておく必要がありそうだ。さすがに減量は厳しそうだが、見合う結果が見込まれるだけに、ここは騎手の本気度に畏敬の念を払って応援したい。