2015年11月8日(日)東京競馬場で開催されるアルゼンチン共和国杯出走予定のレーヴミストラル(3牡・父キングカメハメハ・母レーヴドスカー)。この母レーヴドスカーから生まれる仔は軒並み活躍するものの、どうにも体が弱く若いうちに引退、悪ければ死亡というケースが続いております。
初仔のRegal Silkは未出走のまま2歳時に死亡。レーヴダムールは新馬戦勝利から2戦目に阪神JFを選択し惜しくも2着。その後調教中に骨盤骨折の発症により動脈の損傷、内出血によりショック死しました。アプレザンレーヴは青葉賞を優勝し将来を嘱望されていましたが、屈腱炎の発症により3歳時に引退、現在はノーザンファームで乗馬となっています。レーヴドリアンもきさらぎ賞2着、京都新聞杯3着、菊花賞4着など今後の活躍が期待されている中、腸捻転を発症し治療中に盲腸が破裂、予後不良となりました。レーヴディソールは無敗でデイリー杯2歳S、阪神JF、チューリップ賞と連勝するも桜花賞を前に右前脚のトウ骨遠位端骨折発症。その後復帰するも不調続きのまま次は右前足の膝部分の剥離骨折が判明、そのまま引退し初の繁殖入りとなりました。
そしてこのレーヴミストラルで8頭目の仔となりますが、古馬まで無事に走り切ったのがのナイアガラと現役で走ってくれているレーヴデトワールの2頭のみと、どうしても嫌なムードがつきまとう一族なのであります。母レーヴドスカーはフランスのGⅠを1勝、2着を3度経験という優秀な成績の持ち主。仔の成績もそれに伴う良い走りを見せてはくれるものの、長く続きません。
レーヴミストラルの戦績を振り返ってみますと、デビュー戦は1番人気ながら4着、続く未勝利戦でも2着で敗北、初勝利は3戦目にしてようやくと、この血統にしてはエンジンの掛かりが遅い印象。ちなみに敗戦2レースの勝ち馬はそれぞれアダムスブリッジとサトノラーゼンで両者ともダービーに駒を進めた素質馬だった、ということもあるかもしれません。そしてそこからは青葉賞まで3連勝で駆け抜け、迎えたダービーでは4番人気9着と期待を裏切る結果に。その後休養明けでのアルゼンチン共和国杯、5ヶ月ぶりのレースとなります。戦績を見ると兄のアプレザンレーヴをたどっているようにも見えなくもないです。同族だからといって必ずしも故障するわけではないのですが、これまで怪我の多い血統ですと、やはり慎重に扱ってもらいたいものではあります。
走り自体は一級品ですが無事是名馬に当てはめるならば未だ名馬なしと言わざるをえないこの血統。後に繋げたい血統ではあるため、ひとつレーヴミストラルにぜひとも頑張ってもらい、さらに無事に成長を続けていってもらいたいと思う次第でございます。