今週末3日(日)、ユキチャンの15で白毛の「ハウナニ」が新潟でデビューします。国内外のG1・6勝の実績を持つロードカナロアを父に持つ良血で、期待感が高い注目の一頭です。
そんなハウナニのデビューを記念して、デビュー当日には新潟競馬場内で「ハウナニちゃんデビュー記念『新潟競馬場DEチェキ会』」の開催が予定されました。チェキ会というくらいですからハウナニとツーショットの写真でも撮れるのかなと思いきや、その内容は女性アイドルグループAKB48の元メンバーの片山陽加と一緒にパドックで写真が撮れるというもの。
そもそもイベント自体は「片山陽加の一口馬主なりたガール」というイベントの一環として行われ、同イベント内の企画でシルク会員になった片山陽加が、昨年ハウナニの一口馬主となったことが経緯としてありました(募集価格は一口5万円×500口で計2500万円)。
ハウナニのファンや片山陽加のファンを含めれば結構な人数がいそうですからそれなりに来場者は見込めそうですが、告知後にかなりの批判が集まり、結果的にイベント主催者によってイベントが中止されることが8月30日に発表されました。
インターネットの某掲示板では、「売名にこの馬を使わないでくれ」「一口に入っているからなんでもしていいと思っているんですかね」「神聖なデビューを汚された感じ」「コースやパドックで騒がれたら迷惑」などと批判が相次ぎ、実際にJRAやシルクホースクラブへ抗議のメールを送ったという人の書き込みも多く見受けられました。
イベントが中止された理由については詳しく書かれておりませんが「本件に関して不快に感じた皆様には深くお詫び申し上げます。」と一言添えられていることからも、多くの批判があったことは中止となった要因の1つと考えられます。
近年は競馬好きのアイドルや芸人が競馬番組によく出演しており、「競馬」が彼らにとって自身を売り込むための1つのツールとして使われるケースも少なくありません。実際にプライベートでも競馬が大好きな芸能人は多く存在しますが、見ていると中には「仕事のためにやっているのだろうな」と感じる人がいることもあり、一競馬ファンとしては見ていて不快に感じることもあります。
今回の片山陽加とハウナニの一件についても、白毛の良血ということで注目を集めるデビュー馬を使い、元アイドルが売名行為を行ったという見方をするファンが多くいたことで批判が殺到したかたちとなりました。
イベントとしてはマナーを守れば全く気にしないような内容ですが、集合場所が「パドック付近」であったり「有料チェキ会」が行われるという点が問題視されているようです。カメラのフラッシュが厳禁とされているパドック付近でチェキ会をやるなど言語道断ですし、自身の出資馬であるハウナニどころか、その他の出走馬にもストレスを与えかねません。今回シルクホースクラブはイベント開催については「関与していない」と発表しておりますが、JRA側は不明。営利目的な催しはJRA側の許可なしで行われることは無いので許可は得ているはずですが、新潟競馬場の特設サイトには掲載がない点から「無許可で行われているのでは?」と疑問に思った方が多かった点も競馬ファンから批判を受ける原因となったようです。
本人のブログや公式ツイッターを見ると、ハウナニの取材や企画の一環で複勝を1頭予想したことはあるようですが(片山陽加の複勝馬券がハズレた場合、ハズレ馬券に直筆サインを入れて抽選で10名のお客様にプレゼント、という内容の企画)、自身の予想や馬券を購入している姿は見られませんので、競馬が本当に好きかどうかについて疑問に思われたり、売名行為と騒がれるのも仕方がないかもしれません。
ハウナニの応援イベントが開催される点については賛同したかったイベントなだけに、今回のひと騒動で不穏な空気が流れるのは非常に残念に思います。当日はとにかく無事にレースを迎えて活躍してくれることを願っております。