サラブレッド・アラブ、地方・外国、競走馬の品種や所属を問わず条件さえ満たしていれば誰でもウェルカムな寛容なレース「オールカマー」。出走馬に広く門戸を開けた競走として有名なレースですが、現在はアラブ種はこのレースを含めて中央では出走できるレースはなく、近年は地方馬の出走もめっきり減り、2006年に北海道・道営競馬所属のコスモバルクが2着に入着して以来、地方馬は1頭も出走しておりません。
1着馬には天皇賞・秋への優先出走権が与えられ、今では「Allcomer(参加者全員)」というのは名ばかりで、古馬の秋中距離G1戦線へ向けての第一歩という位置付けが定着してきました。
とは言え、出走メンバーの中にここから天皇賞秋へ向かう馬もそこまで多いわけでもなく、春からの休み明け、夏の上がり馬、牝馬・牡馬、若い馬から高齢馬まで、色々な馬が各々の事情で参戦してくるあたりはオールカマーらしいと言えるかもしれませんね。
混戦ムード漂う一戦、タンタアレグリア✕蛯名に期待
さて、前置きが長くなりましたが、今回本命馬に選んだのはタンタアレグリアです。前走は今回の舞台と同じ中山芝2200mのアメリカJCCに出走し優勝し、重賞初制覇を達成。秋初戦も同じ舞台を選んできましたが、8ヶ月の長期休み明けで挑んだ前走からまた8ヶ月間隔が空いての出走です。前走は無事勝利しましたが、体質の弱さはやはり残っており、今回も状態面が不安視されております。
ただ、逆に言えば不安なのは状態面くらいで、条件が合わなそうな馬の出走が多い中では比較的条件は向いております。コーナーの多い中山の適性が不安なステファノスにとって今回は距離が長そうですし、ステイヤーズS連覇を果たしたアルバートにとっては逆に距離は短そう、重賞3勝馬のルージュバックも近走は凡走続きといった具合です。このメンバー構成でまともな状態なら勝ち負けするでしょう。
次に対抗として注目しているのがモンドインテロです。昨年はステイヤーズSと日経新春杯で連続3着に入着するなど、長距離路線の重賞で健闘を見せた馬ですが、どうしてもワンパンチ足りないという印象を持っている方も少なくないでしょう。しかし、これだという武器はありませんが、決定的な弱点がないのも魅力。通算17戦で掲示板を外したのは3戦のみで、多少条件が合わなくてもそれなりの能力でカバーしてしまう点はこの馬の強みと言えるでしょう。
今回は新コンビの田辺裕信騎手とともに重賞初勝利を狙います。デビュー3戦目の条件戦以来、実に約2年4ヶ月ぶりに手綱を握ることになりますが、重賞でも安定して上位に食い込んでくるまでになったこの馬でどういったパフォーマンスを見せてくれるのかも楽しみにしたいと思います。
以上、オールカマーの予想でした。本命馬タンタアレグリアと対抗モンドインテロ、今回はこの2頭に重きを置いた馬券で勝負したいと思います。それでは、皆さんの健闘を祈ります!