第38期生のルーキー・今村聖菜騎手は先週土曜の小倉で、ミカッテヨンデイイでフェニックス賞を勝利。G1騎乗可能となる地方&JRAの通算31勝に王手をかけた。
日曜小倉メインの北九州記念ではもともと騎乗を予定していたカフジドラゴンが除外となり、ザイツィンガーとの初タッグが決定。自身5度目の重賞騎乗に挑む。
ザイツィンガーは父ドリームジャーニー、母父クロフネと道悪での激走が期待できる血統。実際、重馬場で2戦2勝という結果が示すように、スピードよりもタフなレースが得意なタイプだ。
小倉は今週からBコースとなるが、「正面直線にカバーしきれない傷み有り」と公式からも発表されているように、直線はタフさも求められる馬場。また、日曜にはまとまった雨の予報も出ており、午前中に荒れてくる可能性も高い。
最後に勝ったのは2020年に東京1400mで行われた白秋Sだが、雨で重馬場の中大外を追い込んで快勝。後方で折り合いに専念し、しっかり脚を溜めてラスト2F切るあたりから動いて差し切るという内容だった。しっかり脚を溜めることが、まず一番の好走条件となってくる。
小倉の1200mはスタート地点が一番高く、そこから駆け降りるコース形態となるため、ハイペースになりやすい特徴がある。直線は平坦なので、馬場が良ければ逃げ・先行馬がスピードを生かして粘りこむことが多いが、馬場が悪化してくれば、前半のハイペースも相まって逆に差し馬天国となる。
今年の北九州記念は先行馬が揃っており、ハイペースとなる可能性は大。タフな馬場で直線も内が傷んでいるなら、白秋Sの時のように大外の捲りも決まってくるだろう。
実績的にはオープンも勝てていない現状で今回も伏兵的な立場での参戦が濃厚だが、人気薄がバンバン絡んでくる波乱含みのこのレースなら、問題なく買える1頭だ。
飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち星を重ねる今村騎手の勢いも借り、波乱の主役を演じて重賞初Vといきたいところだ。