つい先月までは重賞未勝利だったファインニードルだが、前走のセントウルSを勝利したことで一躍、スプリント路線の主役候補へと名乗りを上げた。2度目の重賞挑戦となった北九州記念では堂々の1番人気に支持されながらも5着敗退と苦渋を飲んだ。着差こそ勝ち馬から0.2秒差と僅差の勝負を演じたものの、久々に参戦した重賞の壁の高さを再認識させられる形だった。
しかし、前走のセントウルSでは北九州記念で負けた鬱憤を晴らすかのような快勝だった。阪神1200mは1分7秒1の好時計を持っている得意なコースとは言え、いきなりのG2出走で強豪馬相手にそのポテンシャルが本物であることを証明し、高く感じたはずの重賞の壁も気がつけばなくなっていた。
阪神を得意としているファインニードルだが、関東遠征の回数もそれほど多くないなかで、中山の1200mでも勝利を収めている。G2快勝の実績を築いてからの参戦とあらば、舞台を中山に移したとしても指してマイナスにはならないどころか、一気の勢いで戴冠となってもおかしくはない。
父アドマイヤムーンは中長距離で活躍した馬だが、代表産駒にはハクサンムーンや、今回ライバルとなるセイウンコウセイなど、生粋のスプリンターも少なくない。G1を勝てるだけの底力を持つ血統の後押しも発揮されればファインニードルがセントウルSに続く重賞連勝をG1で華々しく飾ることも充分有り得るだろう。