2017年もいよいよ秋のG1シーズン到来。週末日曜日は秋の長距離王者決定戦「スプリンターズステークス」が開催されます。昨年は圧倒的人気を集めたビッグアーサーが圏外へ飛び、当時夏の上がり馬として注目されていたレッドファルクスが優勝。今年は立場が逆転し、脚部不安で復帰が延ばし延ばしとなり、ついには国内では昨年のスプリンターズステークスぶりとなるビッグアーサーが、同競走勝利後も着実に力を付けてきた昨年の覇者レッドファルクスに挑戦するという構図となりました。

スプリント路線だけでなく安田記念で3着に入着するなどマイル路線でも力を示したレッドファルクスは高く評価しておりますが、今年はそこまでペースは早くならないと予想し、前で競馬をする馬を中心に考えていきたいと思います。

春秋スプリントG1制覇を狙うセイウンコウセイ、能力発揮しやすい条件

今回の有力視しているのは高松宮記念を優勝しG1初制覇を果たし、春秋スプリントG1制覇を狙うセイウンコウセイです。休み明けの函館スプリントSでは4着に入着し、その後は放牧に出て今回は休養明けの一戦となります。前走は超高速馬場だった函館の馬場にやられ、序盤で脚を使いすぎてしまった感が否めません。タフな内容でしたが、レース後の放牧でしっかりとリフレッシュされている可能性も高いですし、状態面における不安はそこまでありません。

枠は2枠3番と、メンバーの中では好枠を引いた方だと言えます。スタートから出していきそうな4番のフィドゥーシア、6番のワンスインナムーン、7番のダイアナヘイローが外目に入っているのは有難く、外を見ながら内のポケットを確保できれば有利にすすめられる可能性は高いのではないでしょうか。ペースがそこまであがらず無理せず追走できればこの馬向きの展開となりそうです。

高松宮記念は前半のポジショニングの良さ、そしてコーナーでの上手な立ち回りによるコース取りが文句なしの内容。この馬向きの重い馬場となった点ももちろん勝因の1つですが、要所でいい競馬ができていたのが最後の伸びに繋がったのではないでしょうか。今回も前半は良いポジションを確保できそうな位置関係にはおりますし、条件が噛み合いそうな気配があります。今回も馬場が渋ればさらに信頼度は増しますが、良馬場開催が見込まれております。最終週の中山で木曜日には大雨も降っているので、見た目以上にタフな馬場になってくれていればなお良しです。

次に相手ですが、やはり昨年のこともあり傾向的には夏を使われた馬も積極的に狙っていきたい一戦。ということで、対抗馬は夏4連勝中のダイアナヘイローに注目。上記でも記したフィドゥーシアやワンスインナムーンあたりとの先行争いが予想されますが、外にも先行馬が多数おり、内と外を見ながら上手く立ち回る必要がありそうです。武豊騎手はその点で信頼はおける騎手ですし、馬もそれに応えてくれる状態に今はあると思います。使われるごとに馬体重は増え、パフォーマンスもレースごとに向上していっております。この馬的にはある程度ハイペースが良いのかもしれませんが、レースの中でバランスが取れるコンビということで、総合力と対応力を評価し対抗馬に選出させていただきました。

最後は、単穴で注目している馬ラインミーティアです。アイビスサマーダッシュを優勝し、続くセントウルSでは2着に健闘し、見事サマースプリントシリーズのチャンピオンとなりました。何と言ってもラストの末脚は脅威。溜めを作る必要があるこの馬としてはペースが上がりすぎると厳しくなりそうですが、後半余力を持った状態で直線を迎えられれば馬券に絡んでくる可能性はあります。直線の短い小回りの中山競馬場なら、長くいい末脚よりも一瞬の切れ味があるこの馬の持ち味が生きてくるでしょう。

今回はレッドファルクスやメラグラーナ、ダンスディレクターといった上位人気馬よりも、比較的中穴の馬を評価した馬券となりました。大穴が来るほど荒れるとは思いませんが、中穴が好走して高配当を出してくれるようなレースを期待したいと思います。それでは、皆さんの馬券のご健闘を祈ります！