クラシック最終戦の菊花賞へ向けたトライアル「セントライト記念」が開催ということで、秋競馬も今週から本格的に始動。
秋の大舞台へ向けて見逃せない一戦となるが、今回はクラシックの上位候補ではなく、1頭の穴馬に焦点を当てていきたい。その馬は、ラジオNIKKEI賞・2着馬ショウナンマグマだ。
今年初戦のきさらぎ賞では序盤で前が壁になり行けずに掛かってしまい、道中は外へ膨らみながら後退し11着大敗と、重賞デビュー戦は散々たる内容だった。しかし、2走後の中山1800mの1勝クラスではスムーズに先手をとって逃げるかたちを取ると、そのまま後続を突き放して8馬身差の完勝と鮮やかな逃げ切り勝ちを披露。
プリンシパルSでは逃げる形を取れずに11着大敗と再び崩れているが、続く前走のラジオNIKKEI賞では先手を取って緩みないペースで進め、直線も粘り腰を見せて2着に好走した。やや安定感に欠ところはあるが、自分の形に持ち込んだ時は高いパフォーマンスを発揮してくれる1頭だ。
勝った2戦だけ見ればかなり良い競馬をしており、先に述べた中山1800mの1勝クラスの勝ちっぷりはすでに説明した通りの好内容。1勝目を挙げた東京1800mの未勝利戦も素晴らしく、仕掛けが早かったことも功を奏したかたちだが、直線で外に出してからの伸び始めが良く、坂の登りでも動けていたのはこの馬の大きな武器である。
持ち味を考えれば中山の舞台は好相性。逃げる形さえ取れればここは絡んでくる可能性どころか、逃げ切ってしまう可能性も低くは無い。前目が有利になりがちな同レースにおいては、侮らないほうが賢明かもしれない。