中京の日曜メインを飾るのは、牡馬クラシック最終戦の菊花賞へ向けた重賞トライアル「神戸新聞杯」だ。この後の菊花賞の好走馬はもちろんのこと、歴史的名馬を多く輩出しているレースなだけに、見逃せない一戦となる。
今年のメンバーで一際注目を集めているのが日本ダービー・5着のプラダリアだ。1月にデビューしたばかりの馬で、デビュー3戦目で未勝利を勝ち、4戦目でダービートライアルの青葉賞を制してのダービー・5着と勢いこそあるが、例年であれば1番人気に値するような実績ではない。それでもこのメンバーではこの馬が実績最上位だ。
今年は例年と比べると低調なメンバー構成となっており、やや混戦ムードが漂っている。こういう混戦ムードのときはキャリア(出走回数)がモノをいうものだが、キャリア重視で見るならプラダリアの信頼度はやや低め。前走のダービー・5着は押して好位馬群から伸びきれずの5着という内容。現状では力負けという印象を受ける。これまでのレースぶり自体は安定しており、1戦ごとにパフォーマンスを上げてはいるものの、“混戦の中実績で押し出された1番人気”ほど怖いモノはないだろう。
キャリアで見るなら京成杯・3着、京都新聞杯・2着のヴェローナシチーや、札幌2歳S・2着、京都新聞杯・1着のアスクワイルドモア、スプリングSとラジオNIKKEI賞でいずれも3着のサトノヘリオスあたりを有力視したくなる。プラダリアの成長力も当然期待できるが、抜けた存在でない以上疑ってかかる必要はあるだろう。
とは言え、データ面を重視するならプラダリアの信頼度は高め。過去10年のデータ・傾向でも記されているように、同レースにおける「1番人気」は勝率70%、連対率・複勝率は80%と断トツの好成績だ。例年のデータと傾向を重視するなら、まずは1番人気の同馬から買うのがセオリーと言えよう。
また、前走「ダービー組」は過去10年で9勝を挙げており、ダービー組を中心視するのが定石と言って良い。前走着順についても、勝ち馬は10頭全てが前走「5着以内」だった馬となっており、プラダリアもギリギリ該当する。逆に前走のダービーで12着と大敗しているアスクワイルドモアはデータ的には買い難い1頭となる。データ通りなら前走がリステッドのヴェローナシチー、ラジオNIKKEI賞から参戦するサトノヘリオスもまず勝ちきれないということになり、やはり信頼度は低くなる。
競馬の予想ファクターはキャリアとデータ以外にも様々あり、最終的には総合的な評価によって本命馬が決まってくるが、混戦ムードが漂う今年の神戸新聞杯は「キャリア」か「データ」か、どちらを重視するかによって大きく予想は変わりそうだ。