晴れた日には富士山が見える東京競馬場、21日(土)にはその富士山にちなんで付けられた「富士S」が開催されます。コースは東京芝の1600m。マイル界の最高峰であるマイルチャンピオンシップの前哨戦として行われるレースです。去年の2着馬イスラボニータは本番でも2着に入線、2013年は優勝したダノンシャークが本番で3着に入線し、翌年2014年にはダノンシャークが再度富士Sから進めて本番で優勝し、G1初制覇を果たしております。本番のマイルチャンピオンシップを占う意味でも目の離せない一戦と言えるでしょう。
ちょうど1年前は菊花賞へ参戦してクラシック戦線を盛り上げくれていたエアスピネルですが、今年はマイル路線へ転身し、京都金杯を優勝、マイラーズCで2着に入着するなどマイル重賞で活躍を見せております。前走は2000mの札幌記念に出走し5着。また中距離路線へ戻るのかと思われましたが、マイル王者決定戦へ向けた前哨戦の富士Sへ駒を進めてきました。
C.ルメール騎手とのコンビで挑んだ前走の札幌記念の敗因は、距離というよりは、前にペースをスローにコントロールされたことで後半要素の強い競馬になってしまったことが大きかったと思われます。ある程度全体のペースが上がった方が好走しやすいこの馬にとって、前走のような緩いペースでは能力は発揮しずらいと言えるでしょう。マイルでも強い競馬を見せておりますが、菊花賞といった長距離でも実績があるのはペースによるところが大きいということにも繋がると思います。
ペースが流れやすいマイル重賞ならチャンスはまわっくる可能性は高いと見て良いでしょう。テン乗りだったルメール騎手から主戦の武豊騎手へと戻りそうですし、前でペースをコントロールするのは得意な騎手です。先行策で支配することができれば巻き返せるのではないでしょうか。札幌記念後はルメール騎手も「距離がちょっと長いと思う」とコメントしており、2000mは厳しいという見解を見せております。鞍上も戻り、能力が発揮されやすい距離に戻る今回は前走に比べれば好走条件が多く揃っております。能力の高さは3歳時のクラシック戦線での活躍で証明済み。安田記念では5着に敗れ惜しくもマイル界の頂点には立てませんでしたが、秋のマイル王者決定戦でその頂点に立つために、そろそろ巻き返してくるかもしれません。