JRAがICカード「UMACA(ウマカ)」の導入を発表、“課税逃れ対策”という声も?

2018年秋、会員ICカードを使うことで現金を使用することなく投票できる「キャッシュレス発売機」の導入が行われることが、16日にJRAのホームページにより発表されました。

「キャッシュレス発売機」とは?

キャッシュレス発売機とは、専用のICカードで馬券の購入が可能となる発売機です。このICカードは、JRAキャッシュレス投票専用のカードで、名称はJRA-UMACA(ウマカ)となっております。JRA-UMACAを使用してキャッシュレス発売機を利用するには、JRA-UMACA会員(キャッシュレス会員)に加入していただく必要があります。このJRA-UMACAカードに現金をチャージするなどして発売機を利用します。

現在、競馬場やウインズではすでに馬券の発売機は導入されておりますが、馬券が輩出されるこれらの発売機とは違い、キャッシュレス発売機ではレシートなどに購入内容が印字されたものが輩出されます。JRA-UMACAチャージの「現金レス」、そしてキャッシュレス発売機の「馬券レス」機能により、手軽な購入を実現したものとなっております。

来年の2018年の秋頃、まずは東京競馬場から導入し、以降全国に順次導入する予定となっております。また、キャッシュレス発売機はインターネット投票を利用したシステムであることから、競馬場やウインズなどで同発売機を用いての「海外競馬およびWIN5の購入」が可能となっており、これまでインターネット投票会員しか利用できなかったサービスが、JRA-UMACA会員に加入することで利用できるようになります。なお、海外競馬およびWIN5の購入は、マークカードを使用せず、タッチパネルやQRコードを用いた手法での購入が予定されております。

キャッシュレス発売機の導入に伴い、キャッシュレス投票の過去投票内容照会ができる「情報照会端末機」が導入される予定にもなっております。この情報照会端末機の名称はUMAポート(ウマポート)です。

UMAポートは、過去の投票内容照会機能や、オッズ印刷機能、その他UMACAを介した様々なサービスが提供される予定となっております。こちらも来年2018年の秋から、東京競馬場で導入され、以降全国へ順次導入される予定となっております。

「JRAによる課税逃れ対策か?」という声も?

インターネットの某掲示板ではさっそく「馬券課税逃れ対策だな」「WIN5の租税回避に使われそう」「銀行口座じゃないから税務署は監視できない」といった声があがっており、導入は税金対策が目的なのではという疑問がファンの間であがっているようです。

馬券が当たって儲かった場合、一時所得となるので確定申告をしなくてはなりませんが、実際問題、ハッキリとした統計はありませんが、一時所得として確定申告して納税している人は少ないでしょう。

競馬場やウインズで馬券を購入して高額払い戻しがあった場合、高額払戻し窓口で住所や氏名といった個人情報を聞かれることはありません。税務署が競馬で儲けた人を把握できないのが現実です。インターネット投票でも、銀行、JRAとも、税務署に対して個人情報を提示する義務はありませんので、確定申告していなくても税務署から「税金払ってください」と言われることは滅多にありません。

しかし、よっぽど競馬で大儲けしてたり、お金の動きが大きければ、税務署に目をつけられ、数ヶ月に渡って内偵捜査を行い、裁判命令が取り付けられる、なんてことになる可能性はあります。そうなるとインターネット投票でもお金の出所がバレることはあるでしょう。競馬場やウインズで購入すれば個人情報を教えることなく口座を通さず現金で配当が得られるので、誰がいくら当てたかはわかりませんので、大金を稼いだとしても課税される可能性は低くなります。

WIN5などで大金を儲けた場合、インターネット投票なので月曜日に銀行口座へ金額が移されます。しっかりと紐付けがされてしまうということですね。「WIN5の租税回避に使われそう」と冒頭で紹介しましたが、たしかに配当がICカードにチャージされたままなら、税務署は把握できないでしょう。税務署から課税でもっていかれるよりは、ファンに馬券を勝ってもらって還元してもらう方がよっぽど良いですからね。

昨年話題となった「外れ馬券経費」裁判の一件があったので、考えすぎてしまっているのかもしれませんが、WIN5の購入ができるとなると、あながちない話でもないのかなと思ってしまいます。