日本初の国際招待G1レースであるジャパンカップは、国内だけでなく外国馬を交えて最強を決めるビッグレースだ。府中の2400mで円熟の古馬がしのぎを削る、かと思いきや最近は牝馬による活躍が目立っている。
2011年のジャパンカップでは、ブエナビスタが1着で入着するも進路妨害で2着に降着させられた。しかし、翌年2012年に優勝してリベンジを果たしている。その翌年の2013年にはジェンティルドンナが史上初の3歳牝馬による優勝を成し遂げ、2着にはデニムアンドルビーが入り、牝馬によるワンツー決着となった。さらに翌年2014年ではジェンティルドンナが連覇を果たし、ジャパンカップ史上初となる連覇を達成した。他にも2009年の勝馬ウオッカや、3着に絡んだレッドディザイアや外国馬のウィジャボードなどがおり、牝馬が侮れない存在となっている。
今年2015年の第35回ジャパンカップに出走する牝馬は3頭。ショウナンパンドラ(牝4)、ミッキークイーン(牝3)、そして独から来た外国馬のナイトフラワー(牝3)である。
ショウナンパンドラは昨年の秋華賞(G1)を優勝したG1馬。前走の天皇賞秋(G1)では4着に健闘し、2走前のオールカマー(G2)では優勝、その前は宝塚記念(G1)で3着に入着するなど牡馬の一線級相手に互角以上に戦ってきている4歳牝馬だ。ジャパンカップでも勝ち負けが期待される有力馬の一頭に違いない。
ミッキークイーンは今年のオークス(G1)と秋華賞(G1)を優勝してG1・2勝を達成した3歳の女王である。牡馬相手の重賞は初めてなので力が通用するかというところが懸念されるが、3歳牝馬ということで背負う斤量が一番軽い(53.0kg)なのは有利だという見方もできる。3歳時に優勝したジェンティルドンナのような激闘を期待するファンも少なく無いだろう。
独からの伏兵ナイトフラワー。3歳牝馬でこちらも軽い斤量の恩恵は受けるが、長距離輸送の影響や、初の東京の馬場に対応できるかどうかなどといった不安も拭えない。しかし、日本でのレース経験が豊富なA.シュタルケ騎手が騎乗するということもあって侮れない存在だ。幼い3歳の時期にわざわざこのレースに運ぶということは無論勝算があってのことだろう。
日本馬、外国馬問わず牝馬が好成績を収めるジャパンカップ。まるで女性が強い今の人間社会を表しているようにも思えてくる。最近では競馬場へ足を運ぶ女性も多く見られるし、競馬好きのアイドルが3連単を的中させたり、豪州で行われたメルボルンCでは初の女性騎手による優勝など、競馬界においても女性の進出が目立っている。ジャパンカップにおいても実際に近年は牝馬が良い結果を残してきているし、今年出走する4頭の牝馬は馬券的にも期待値の高い存在と見て差し支えないだろう。