前走の毎日王冠では、ようやくこの馬らしい素晴らしい末脚が炸裂し、不振から完全に脱出したと見ていいだろう。天皇賞・秋では短期来日中のシュミノー騎手が鞍上を務めるためテン乗りになるが問題はないだろう。毎日王冠では覇気があり気合も乗っているのがパドックから見て取れ、雰囲気がしぼんでいた中山記念とは雲泥の差だった。
今回、キタサンブラックが出走してくるが、本当の狙いはジャパンCと有馬記念。ここは休み明けの叩き台で、ある程度格好をつけておけば良いと見るのが妥当だろう。キタサンブラックはここではあくまでも連下候補。軸馬にはしにくい。東京2000mは問題ないと思うが今回の仕上がりは良くて九分、実際は八分程度と言ったところだろう。ハードトレーニングを物ともせず鍛え上げられた馬として有名なキタサンブラックだが、肉体的な負荷をかけるトレーニングは終了、馬体はすでに完成したと師の言葉もあったが、種牡馬入りが決まって無理をさせるリスクは取れないという考えがまったくないとは言い切れないのではないだろうか。
今回はリアルスティールが毎日王冠から予定通りに天皇賞・秋にコマを進めてきた。国内G1勝利が欲しいリアルスティール陣営に取っては、今回は大チャンスと言える。人気は割れるが、人気よりも1着が欲しい。その命運を託されたのがシュミノー騎手。2番人気以下での出走は、見方によってはプレッシャーに感じる事無く騎乗する事が出来るメリットもある。週の頭には今週こそ秋晴れの中で競馬が開催されるような天気予報だったが、台風22号の発生に伴い一転して雨予報に様変わりした。週末のたびに雨が降っているようで気が滅入るが、そんなことはお構いなしに天皇賞は相当盛り上がる事間違い無し。
秋華賞・菊花賞と大混戦が続いているが、この天皇賞・秋も混戦が予想される。しかし、リアルスティールは非常にポテンシャルの高い馬。持っている能力はこのメンバーに入っても上位は間違いないので、後は仕掛けどころさえ間違えなければ末脚不発と言ったシーンはまずないだろう。毎日王冠を使った上積みは大きく、更にパワーアップしたリアルスティールを見せてくれるはずだ。