YJSトライアル東日本は藤田菜七子騎手がトップ!若手騎手から“ネクスト武豊”は誕生するのか?スター騎手育成に向けての課題とは?

今週26日(木)は船橋競馬場で「ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド船橋」が開催されます。同競走は「2017ヤングジョッキーズシリーズファイナルラウンド」への出場権をかけた地方競馬とJRAの若手騎手が競う代表騎手選定競走です。

船橋のトライアルラウンドには、JRAからは井上敏樹騎手、菊沢一樹騎手、木幡初也騎手、野中悠太郎騎手、伴啓太騎手、藤田菜七子騎手が出場する予定となっております。騎手の選定方法は、騎乗した馬の着順に応じて、騎乗騎手に対して決められた点数が毎競走与えられ、その合計得点を騎乗回数で除した数値により順位が決まるという内容です。

ファイナルラウンドは、12月27日(水)に大井競馬場、28日(木)に中山競馬場で行われる予定です。現在、JRA騎手の東日本地区の1位は藤田菜七子騎手、西日本地区は森裕太朗騎手。地方競馬騎手では、東日本地区の1位は船橋の臼井健太郎騎手、西日本地区の1位は笠松の渡邊竜也騎手となっております。

今の若手騎手から“ネクスト武豊”は誕生するのか?スターに必要なものとは一体?

年末の中央競馬および地方競馬双方を盛り上げるために、「若い才能が、技を競い、成長を競い、夢を競うロングランシリーズ」というテーマを元に今年の2017年より開始された見習騎手たちによるシリーズ競走。スターを誕生させるための人材育成の一環のようにも見える同シリーズは競馬界にとってもぜひとも成功させたいイベントでしょう。

武豊騎手以来スタージョッキーと呼ばれる騎手が誕生していない今の競馬界にとって、ネクスト武豊の出現は大きな課題です。今年は弟の幸四郎氏が調教師へ転身したことが大きな話題となりましたが、兄の豊騎手が現役のうちに果たしてスターは誕生するのかどうか?

これまで様々な若手騎手が次世代のスター候補として名を挙げてきましたが、武豊騎手を超えるほどのスター性をもった騎手はまだ誕生していないと言っても良いのではないでしょうか。騎乗技術や輝かしい実績だけでなく、ユーモアに溢れたマイクパフォーマンス、スキャンダルすら笑いに変えてしまうようなメンタルの強さなど、やはり他の騎手とは一線を画する何かを持っていらっしゃるという印象があります。実績以外の部分の魅力、実績プラスアルファーの部分、こういったところがスター性を作っていくのではないかと思います。

例えば、競馬の騎手以外でも、かつて野球界のスターとして人気を集めた長嶋茂雄さんは、同じくスターとして人気を集めていた王貞治さんよりも記録上は下でありましたが、愛すべきキャラクターや強い個性でより多くのファンの心を掴んでいたと、野球少年だった筆者の父をはじめ、当時からのファンの方々から聞かされております。長嶋さんと王さんは入団するタイミングも違い、王さんよりも前に長島さんはある程度スターの座を確立していたようにも思えますし、実際に人気のデータを取ったわけではないのでこの例え話の信憑性は低いかもしれませんが、実績以外の部分がスターを作るというのはあながち間違った認識ではないのではないでしょうか?

レースの勝利数だけでなく、人間性においても武豊騎手を超えていけるような騎手が誕生しない限り、本当のスタージョッキーは誕生しないのかもしれませんね。今後の若手騎手たちのレースでの活躍ももちろん楽しみにしておりますが、人を引きつけるような人間性を持った騎手の誕生も楽しみにしたいと思います。