古馬最高の栄誉をかけて争われる中距離王者決定戦「天皇賞秋」がいよいよ29日(日)に東京競馬場で開催されます。週末は雨予報となっており、先週に引き続き道悪での競馬となりそうです。
何と言ってもこの天皇賞秋が秋の始動戦となるキタサンブラックが今回最大の注目株でしょう。前走の宝塚記念では逃げさせてもらえず、番手から進めるも後ろからつつかれ乱ペースとなり、終始自分の競馬が出来ませんでした。ダービー以来大きく崩れたことがありませんでしたが、ここへきて9着と大きく着順を落とす結果となりました。
しかし、結果的に先行勢が共倒れとなった前走のことがあるので、下手に競りかけていく馬も少ないのではないでしょうか。前走番手で進めたシャケトラは今回は大外枠と厳しい位置に入りましたし、ソウルスターリングも同タイプのため利害が一致しており無茶してくる可能性は低い、となると逃げていきそうなロードヴァンドールあたりをマークして先行するか、自らハナを切っていくかだと思いますので、何れにせよ前走よりは楽に先行することが出来るのではないでしょうか。怖いのは前進気勢の強いネオリアリズムですが、折り合うのが難しい馬なので、テン乗りのシュタルケ騎手と海外帰りの休み明けを懸念し印は付けれませんでした。前につけてくる可能性は高いですが、主体的な競馬ができるのはキタサンブラックの方に分があると予想させていただきました。
ということで、今回の本命馬はキタサンブラックとさせていただきます。4枠7番と外過ぎない枠も良いですし、元々がキレで勝負するタイプでないので道悪も歓迎な口、休み明けでも走る馬なので、ここは好材料の多いこの人気馬を素直に本命にしたいと思います。
次に、対抗馬として選んだのはソウルスターリングです。前走の毎日王冠ではまさかの逃げの一手を打つも8着に敗れ、初の古馬戦でデビュー以来初黒星を喫しました。斤量53kg、開幕週の内枠と条件は有利だったので逃げも有効だったかもしれませんが、ペースを落としたあとは動かず、まわりが仕掛けだして結果的に緩い流れからの切れ味勝負となり、3F32.6の鋭さを見せたリアルスティールが完勝という結果となりました。
タイプ的には3~4コーナーから早めに動いてじわじわとスピードに乗せていく方が合っている印象で、前走は前半がゆったりとした流れなのは良かったのですが、ペースを落としたあとに早めに仕掛けていく意識があれば結果はもう少し違っていたのではないでしょうか。そういった意味ではキタサンブラックと脚質が近い部分もあると思うので、キタサンブラックを目標にして仕掛けていくのは有効となりそうです。ただ、似たようなタイプですからもちろんロードヴァンドールが逃げればこの番手につけていき、ペースをコントロールしていくのも良いでしょう。何れにせよ、5枠9番とキタサンブラックのやや外の枠に入れたことからも、前走よりも自由度は高い競馬が出来るのではないでしょうか。
最後に、連下で選んだのはステファノスです。天皇賞秋は今年で3度目の挑戦となり、2着、3着と2年連続で馬券圏内の実績があります。この馬もすでに上で記した2頭と同様に、キレはそこそこですが、スピードの持続力に長けている馬です。その末脚は道悪でも健在ですし、安定して末脚が引き出せる東京コースはこの馬にとってベストの舞台です。1回目の天皇賞秋では重賞3連勝中と波にノッていたラブリーデイの2着、大阪杯ではキタサンブラックの2着、前走のオールカマーでもルージュバックの2着とシルバーコレクターぶりを遺憾なく発揮しておりますが、その安定感は一つの大きな武器と言えるでしょう。
以上、今年の天皇賞秋の予想でした。本命はキタサンブラック、対抗はソウルスターリング、連下にステファノスという予想で勝負をさせていただこうと思います。それでは、皆さんのご健闘を祈ります!