秋のG1シーズン開幕を告げる6Fの電撃戦に今年も国内の快速馬が集いました。夏を越して折り合い面が良くなっているメイケイエール、マイルG1戦線で幅を利かせているシュネルマイスターなどレベルの高い面々が顔を揃えましたが、今回最有力視しているのはサマースプリントシリーズでチャンピオンとなったナムラクレアです。
2走前の函館スプリントSでは先行策から抜け出す横綱相撲で完勝を果たし、続く前走の北九州記念は3着に敗れたものの、馬群の中で窮屈な競馬を強いられながらあれだけ後方から直線間を割っての3着は好内容で、一番強い競馬をしたのはこの馬であったと感じます。ハイペースの函館スプリントS、高速馬場の北九州記念をこなして好走してきたのは高く評価したい点で、上昇度なら最上位でしょう。
G1でも通用するかどうかについても、個人的にはそこまで不安視しておりません。相手は走るまで分からないメイケイエールに、初のスプリント挑戦となるシュネルマイスターと上位はやや信頼度の欠けるメンバー構成となっており、付け入る隙は十分です。こちらは充実一途をたどるサマースプリント女王でスプリント実績は十分。
この馬で注意したいのは、中山コースが初である点くらいでしょう。ただ、坂のある阪神コースは重賞で2着2回、3着1回と勝ちきれていないもののこなせてはいます。上位勢にも抜きん出て中山適性の高い馬がいるわけでもありませんし、ナムラクレア自身も割り引くほど適性が低いとは思っておりません。レースセンスの高さと53kgの恩恵もあるナムラクレアなら、初コースが大きな障害となることはないと見ています。ということで本命はナムラクレアです。
続いて相手ですが、対抗馬として最有力視しているのはCBC賞、北九州記念で連続2着のタイセイビジョンです。昨年のスプリンターズSは12着と大敗していますが、近3戦はレベルの高い1200m戦でいずれも2着に好走しており、しっかり力を付けてきています。
タフな馬場の消耗戦ではやや信頼度は落ちますが、今の中山は開幕後半ながらまだまだ速い時計が出ており、週末も晴れる予定で良馬場が濃厚。G1スプリントのペースも合いそうですし、この馬向きの馬場と展開になりそうです。
近2戦で好騎乗を見せてきた川田騎手から福永騎手へと乗り替わる点はやや気がかりですが、連に持ってくるくらいの条件は揃っていると見て対抗馬として有力視したいと思います。
ということで今年のスプリンターズSは本命ナムラクレア、対抗タイセイビジョンという予想で勝負したいと思います。