今週は牝馬三冠のラストを飾る重賞「秋華賞」が開催。最大の注目馬は牝馬二冠を果たしているスターズオンアースだ。
前走のオークスは大外枠の不利を克服し、絶好の位置取りからラストスパートで一気に抜き去る強い勝ちっぷり。そのまま順調ならここも高い信頼度を持って狙えていた馬だが、レース後に右前肢の第1指骨を剥離骨折していることが判明。幸いけがは軽症で、判明から3ヶ月の休養を経て何とかギリギリ間に合ったというかたちだ。
能力の高さは疑う余地がないところだが、怪我の影響が怖い1頭でもある。骨折明けでも春の強さが維持されているのかどうかがカギとなりそうだ。
2週前追い切りは南Wで古馬オープン馬の内を4馬身追走し、5F67.9-1F11.5としまいだけ追われて脚を伸ばして併入した。ラスト1Fは11秒台マークと及第点の数字は出ているが、ゴール前促されるも思ったように脚が伸びずに差しきれず、併入までに留まったという印象。
1週前追い切りは美浦の南Wで併せ馬を行い、6F67.8-1F12.2をマークして2馬身半追走した相手に半馬身先着した。1週前はあまり時計を出す馬ではないのでとくに普段の追い切りと変わりないが、2週前で見られた動きの鈍さは取れてきたように見える。僚馬ホウオウイクセルに手応えで勝ってあっさり先着と、古馬オープン馬を子ども扱いしており動き自体は良化してきた。陣営の「骨折の影響は全然感じない」というコメント通り、脚元の不安は感じられない動きではあった。
ただ、追い切りの内容としてはかなり軽めの内容なので、あまり負荷をかけない調教であったことは事実。高柳瑞調教師も「まだもう一段階上がる感じがします」とコメントしている。
状態面以外の懸念は鞍上のC.ルメール騎手の不振ぶりだ。今年は現時点(10月10日時点)で重賞2勝と例年の勢いは無く、1番人気馬を飛ばすシーンもしばしば見られる。とは言え、2勝のうちの1勝はオークスのスターズオンアースでのもので、この馬とは手が合っているのは事実。好相性の馬で三冠を果たして復活の祝杯といきたいところだろう。
オークス後にルメール騎手が初めてまたがったのは6日の1週前追い切り。馬なりのまま内から一瞬で抜け出して併せ馬に先着しており、鞍上の反応にも鋭く反応。いつも通りコンタクト自体に不安はない。本番でもしまいの脚をしっかり出し切る競馬を展開してもらいたい。