今秋のローテは「毎日王冠→天皇賞秋→ジャパンC」と決めた16年のダービー馬・マカヒキ(牡4、栗東・友道康夫厩舎)。去年、凱旋門賞で14着と大敗してからはスランプ気味で、すでに1年以上勝ち星から遠ざかっております。
秋初戦の毎日王冠は6着、2戦目の天皇賞秋は5着と、大きく崩れてはいないものの見せ場もなく終わっており、ダービーで見せたサトノダイヤモンドとの激しい競り合いをハナ差で制した時のような、あの粘り強い末脚はしばらく影を潜めております。
過去を振り返ってみると、実はダービー優勝後に成績が振るわずそのまま引退していったという馬は多数おり、ダービー優勝後も活躍していくケースという方が実は少なかったりします。近年のダービー馬だと、4歳以降は1勝もあげれていないワンアンドオンリーなどが例としてあげられます。「走る気を取り戻している」「復調の気配感じる」など、陣営からは度々期待感をそそるコメントが出ておりますが、掲示板内に入ることすらほとんどなく6歳の年を終えようとしております。定年まであと2年だった橋口弘次郎元調教師に悲願の初制覇をプレゼントしてくれた孝行馬ということで、個人的には復活してほしい気持ちがありますので引き続き復活に向けて頑張ってもらいたいと思います。
とにかく、ダービー馬という大きな称号を手に入れてしまった以上、無様な負け方は許されない!というような大きなプレッシャーがかかるのは事実。ある意味ダービーの呪縛のようなものが存在するのかもしれません。これに応えて勝ち続けるということの方が困難であることは容易に想像できますが、それでも、かつてすべての関係者が憧れる夢舞台のトップに立った馬が落ちていく様はやはり見たくはない、というのがファンの中にはあると思います。
マカヒキも同じ道を辿るのか?ダービーの“呪縛”を破れるか?
「マカヒキも同じ道を辿るのか?」と懸念しているファンは少なくないはずです。確かに4歳になってからは順位をガクンと落としております。2走前の毎日王冠では、理想的なスローの展開で直線でも進路確保に手間取りはしたものの、キレ味が活かせそうな悪くないシチュエーションだったにも関わらず不発に終わり、得意なはずのキレ味でリアルスティールに見劣る結果となってしまいました。
しかし、前走の天皇賞秋は台風に雨で不良馬場というタフなコンディションの中で外をまわっての5着という内容は、上位勢が内を立ち回っていることを踏まえれば決して悪い内容ではありません。復活の兆しと言うにはやや物足りない内容ですが、見限るには勿体無い内容とも言えるため、ジャパンCでの扱いに頭を悩ませているファンは多いのではないでしょうか。
本来のこの馬の持ち味は、ダービーの直線の坂の上りで見せたあのキレ味抜群の末脚です。天皇賞秋では馬場と位置取りで苦戦しましたが、良馬場なら復活もあったかも?と思わせるような内容でした。ダービーで勝った東京コースはこの馬にはベストの舞台ですし、次走のジャパンCはダービーと同じ2400mです。得意の末脚が爆発するならやはりここか?!という感じはします。
秋初戦の毎日王冠の負け方がネックにはなりますが、前走を見る限りでは良くなってきていることは間違いなさそうですので、3戦目となるジャパンCでの復活に期待をよせてみるのも良いかもしれませんね。世界からの強豪が集う最強馬決定戦のジャパンCで復活優勝を果たし、ダービーの呪縛から抜け出すことはできるのでしょうか?ダービー馬マカヒキにとって、勝負の秋となりそうです。