エリザベス女王杯も終わり、11月も中旬となりました。街には少しづつクリスマスのムードも漂いつつあり、「もうこんな季節か」と佳境を迎えた紅葉シーズンと冬の訪れを前に何だか寂しい気持ちになるのは筆者だけでしょうか。
さて、筆者のセンチメンタルな感情はさておき、今週末19日(日)は京都競馬場でいよいよマイル王者決定戦「マイルチャンピオンシップ」が開催されます。昨年は「絶対王者が不在の大混戦!」というフレーズが飛び交いましたが、終わってみれば2、3番人気が連対という堅い決着となりました。モーリスが引退してからはマイル界には絶対王者が不在。絶対王者が現れるまでは、「絶対王者不在の大混戦」というフレーズは毎年使われそうですね。
二度目のマイル王者挑戦、今度こそエアスピネルか?
今年のマイルチャンピオンシップで有力馬の一角を担うのはエアスピネルです。本番と同距離で行われる唯一のステップレースである富士ステークスを勝ち、安田記念5着の雪辱を果たすべく秋のマイル王者決定戦へ駒を進めてきました。
3歳時はクラシック戦線を賑わした一頭でしたが、4歳となった今年は「上半期はマイルにこだわって頂点を狙いたい」と調教師の笹田師が発表し、まさかにマイル路線へ転向。マイル王者が不在の今のマイル界なら王者になれる可能性が高いということで一躍注目が集まりました。初戦の京都金杯を制すと、東京新聞杯3着、マイラーズC2着と大健闘。しかし、安田記念で5着に敗れ、春のマイル王の座を逃します。その後はマイル路線を諦めかけたのか、2000mの札幌記念に出走し、ここでも5着に敗れます。中途半端な浮気は良くないと思ったのか、前走の富士ステークスでまたマイルへ戻すと、初の不良馬場を難なくこなして2着馬のイスラボニータに2馬身差をつけ快勝。
この前走の富士ステークスを3番手の前目で積極的な競馬を見せて快勝できたことが何よりも好材料。ライバルと目されていたイスラボニータよりも前で競馬をし、仕掛けも先でした。ある程度流れた中で主体的な競馬をしてこそ持ち味が活きる馬ですし、平均ペースだった安田記念でも馬群を捌いてからは伸びてきました。
京都のマイルは年始の金杯で優勝、京都のマイラーズC2着などの実績があり、京都の舞台も問題はありません。出たなりで横広の状態のまま先行争いになり、テンからペースは速めになりやすいこのコースはエアスピネルにとってむしろ絶好の舞台と言えるのではないでしょうか。
主戦・武豊騎手とのコンビで挑めるのか?
主戦である武豊騎手の落馬負傷は気がかりとはなりますが、本人のブログでは「自分ではどうってことないつもり」とコメントしていることからも、そう長くは休まないと思われますが、想定では武豊騎手の名前が出しているところも多く、今週末からの復帰が期待されます。乗り替わりとなった場合の騎手などは発表されておりませんが、前走は武豊騎手の好騎乗が光っただけに、今回も主戦の武豊騎手に乗ってもらいたいと願っているファンも多いのではないでしょうか。マイルチャンピオンシップの翌週のジャパンカップではキタサンブラックでの騎乗も予定しているため、無茶はしたくないところではありますが、G1を獲れる可能性が高い馬での騎乗機会なだけに、本人としてもその貴重な機会を逃したくはないところではないでしょうか。
マイルでは未だ掲示板を外したことはなく、安田記念でも詰まってなければという内容でした。今や同馬のベスト距離は1600mと言っても過言ではありません。マイル路線で奮闘してきた今年の集大成をここで見せることができるのか?新しい王者誕生の期待が高まります。