いよいよ今週は秋の盾への栄冠を掴む決戦「天皇賞(秋)」が東京競馬場で開催。何と言っても注目は皐月賞・日本ダービーでいずれも2着だったイクイノックス。悲願のG1初制覇となるかに注目が集まる。
気になるのは前走後に判明した左前脚の腱のダメージ。エコー検査の結果、屈腱炎の診断には至らなかったものの、左前脚の腱がレース前より太くなっていることが判明したということで、秋のこの一戦に備えてしっかりと休養してきた。今年はダービー、オークスの上位馬に故障が続出しており、とくにダービーはレコードを走った反動が大きかったようだ。
9月30日には放牧先のノーザンファーム天栄から美浦トレーニングセンターに帰厩。今月12日には美浦Wを単走で長めからじっくり追われ、6F86.5-3F41.4-1F13.6と軽めの調整を行った。木村調教師はこの時点で同厩舎のジオグリフについては「いつもの雰囲気にある」と評価するも、イクイノックスについては「まだその域にはいない」とトーンがやや控えめだった。
じっくりと調整が進められ、コンビを組むC.ルメール騎手とコンタクトを取ったのは先週19日の1週前追い切りだ。この日は美浦Wで併せ馬を行い、終始馬なりで6F82秒3-1F11秒7の好時計をマークし、併せた古馬オープンのスカイグルーヴとの1馬身半程度の差をあっという間に詰めて併入した。
1週前から時計を出してくる馬でないが、今回の6Fは好時計。ラストもルメール騎手が少し手綱を緩めた程度で鋭く加速。鞍上もこれには「ビューティフルストライド」と称賛した。これまで「グッドフィーリング」「ノープロブレムです」と外国人ジョッキーならではのコメントを残してきた同騎手だが、「ビューティフルストライド」は過去一番の称賛コメントに思えるのは筆者だけだろうか。
今月半ば時点ではまだ整っていなかったようだが、1週前には何とか間に合わせたといったところだろうか。近2戦の追い切りパターン通りなら、最終追いはウッドで併せ馬をしまい重点が定期。ラスト1Fを11秒台で併入か先着してくるようなら脚元は戻っていると見たい。