【ジャパンカップ2017予想】キタサンブラック連覇なるか、カギを握るのは武豊?

秋のG1戦線もジャパンカップを迎えいよいよ大詰めといった雰囲気が漂ってきた。今年のジャパンカップ最大の注目は何と言ってもキタサンブラックが連覇を飾るかどうか?実績上現役最強の地位は圧倒的であり揺るぎないはずだが、戦績の見た目以上に不安要素の多く見えるキタサンブラック。昨年は鞍上武豊騎手の枠番抽選での神引きが話題となったが、今年の宝塚記念ではダービー以来2年ぶりの8枠に入り、2年ぶりとなる掲示板を外す大敗を喫した。これを偶然ととるか枠順に影響される馬と見るかは意見の別れるところだろう。

また、前走の天皇賞(秋)ではまさかの出遅れをしたキタサンブラック。万事休すかと思われたが、徐々にポジションをあげていき、気づけば先頭でゴール板を横切った。天皇賞(秋)の功労者は間違いなく武豊騎手だが、今回ばかりは不安要素となりかねない。2週前に痛めた右膝靭帯の影響が皆無であると信ずるに足るほどの根拠が得られない。無理を押してでも頑張ってしまう性質だけに、精神に肉体が付いてこないケースは怖い。

一方、前走で脚質に自在性があるのが分かったのは大きな収穫だった。前に行かなくても競馬が出来る、スタートが決まらなくてもG1戦で十分勝ち負け出来る事が分かった。そうなると相手関係が重要になって来る。本来なら1年で1番メンバーが強いレースでなければならない国内最高賞金の1つを誇るジャパンCだが、そうとも言い切れないのが現状。『世界に通用する強い馬づくり」の理念で創設されたジャパンカップも今となっては賞金こそ国内で1番高いが、海外の1流馬の寄り付かないレースとなった。

凱旋門賞からのローテーションなら出走には丁度いい間隔なのだが、洋芝と日本の芝の性質が大きく違う。これもジャパンCを敬遠される要因の一つでもある。逆な事を言うと洋芝を克服しないと凱旋門賞は勝てない。この共通認識が出来上がってからは、凱旋門賞を勝った馬は以前の様にジャパンCには来なくなってしまった。凱旋門賞を勝った馬の知名度はやはり日本においても別格。その馬がジャパンCに来るだけでも盛り上がり方が大きく違うのだが、今ではなかなか日本には来てくれないのが現実問題。また、ブリーダーズカップや香港国際競走に比べ、ジャパンカップだけのために各国から大所帯のスタッフを抱えて移動するとなると、選択肢から外れやすくなってしまうのは自然の流れになっている。

単純な賞金だけならBCターフや香港Cには負けていないが、賞金だけでは来日してはくれない。恐らく1着賞金5億円にしても、凱旋門賞を勝った馬は来てくれないだろう。超1流の外国馬に来てもらう為にはシーズンをずらして宝塚記念頃に賞金を上げればきてきれるかも知れない。近年来てくれる外国馬は残念ながら馬券の対象にしばらくなっていない。今年の海外馬は強いと思わせるジャパンカップが是非ともみたい。強い海外馬を倒してこそのジャパンカップなはずだ。現実問題海外に出ても活躍できる競走馬を生産出来るようにはなったが、まだその役目を終えたとは思えない。JRAの改革も当然の事ながら必要になってくる。

さて、脱線が長くなったが、今年キタサンブラックを止める馬が現れるとすればやはり国内からだろう。特に今年の3歳馬は古馬路線でも猛威を振るう優秀な世代。その長とも言えるダービー馬・レイデオロが今回この大舞台で初めて古馬と対戦するというのだから、期待が集まるのは間違いないだろう。

しかし、こういった逆境を跳ね除け続け、勝ちを積み重ねてきたのがキタサンブラックだ。それこそキタサンブラックファンにはオイシイ馬券を幾度も提供できてきた理由でもある。スキがあるように見える現役最強馬。はたしてダービー馬が立ちふさがる事ができるか、注目のカードが待っている。