京都開催ラストを飾るのは今年最後の芝スプリント重賞「京阪杯」です。過去には、15年に2着に入着し翌年の高松宮記念を制したビッグアーサーや、13年に同競走を優勝し翌年の高松宮記念も優勝したロードカナロア、12年に同競走を優勝し翌年の高松宮記念で3着に入着したハクサンムーンなどがおり、来春の高松宮記念へ向けたスプリント戦線の幕開け的な位置付けとなっているレースです。
スプリント重賞の常連ソルヴェイグ!約1年4ヶ月ぶりの勝利でついに復活か
今年の京阪杯で有力馬として注目しているのは4歳牝馬のソルヴェイグです。昨年の高松宮記念は9着と決して褒められた成績ではありませんが、16年のスプリンターズSでは連覇を果たしたレッドファルクスとほとんど差のない3着に健闘し、G1戦線でも力を示したスプリンターです。
今年は高松宮記念9着、距離を延長して挑戦したヴィクトリアマイルでは5着と勝てないレースが続きますが、夏はキーンランドCで距離を1200mに戻して2着に入着すると、前走オープンのオパールSで優勝し、約1年4ヶ月ぶりの勝ち星をあげました。前走は相手が相手でしたから勝てて当然という見方もできますが、だとしても今年は上半期の成績が悪く流れが良くなかっただけに、近走の連続好走は馬にとってプラスの効果もあったのではないでしょうか。
前走から引き続き同じ京都1200mのコースとなりますが、開幕週だった前走と違って今の京都はかなり荒れてきており全く違う馬場になっておりますし、前走から相手は一気に強くなります。楽な条件ではありませんが、京都は稍重・重の条件でも3着内の実績がありますし、1キロとは言え前走からの斤量減も好材料です。これまで戦ってきた相手を考えれば、今回のメンバーもソルヴェイグにとって決して驚くような相手ではないでしょう。
メンバーには前走のスプリンターズSを逃げて3着に粘ったワンスインナムーンや、セントウルSは抑えきれず大外からハナをきったフィドゥーシア、キーンランドCで積極的な先行策で先手をとったナックビーナス、先行して高松宮記念を制したG1馬のセイウンコウセイなど、前で競馬をしたい馬も多く、ペースが流れる可能性も高い一戦です。ソルヴェイグは使える脚はそこまで長くはありませんが、札幌のキーンランドCではハイペースの中でも崩れずに一脚使ってこれていますし、今回も序盤無理せず最後に一脚使って出し抜く競馬ができれば圧勝もあり得る一頭です。
デビュー以来14戦を戦い、掲示板を外したのが僅か3回という、高いレベルでの安定感をもったスプリンターのソルヴェイグ。前走で復活の狼煙をあげた実績馬がスプリント重賞3勝目を狙います。