12月10日(日)は香港のシャティン競馬場で香港国際競走が開催されます。4競走が開催され、今年は8頭の日本馬が参戦しますが、今回注目させていただくのは香港カップ(G1、芝2000m)に出走するスマートレイアー(牝7、栗東・大久保龍厩舎)です。
昨年は武豊騎手とのコンビで香港ヴァーズ(G1、芝2400m)に出走し、5着に入着。当時、マイルから1800mを主戦場としていたスマートレイアーにとって2400mという距離ははじめて挑戦する距離で、5着には何とか粘れたものの、上位と大きく着差があったことからも、やはり距離は長かったという印象があります。鞍上の武豊騎手もレース後には「2400メートルはベストの距離ではありませんでしたが、頑張りました。」とコメントしており、ベストな距離ではなかったことを指摘。しかし、続いて「馬の状態は非常に良かったです。シャティン競馬場の馬場は合いますね。また、この場に戻ってきたいです」ともコメントしており、香港の馬場には手応えを感じた様子でした。
最後のG1挑戦か?今年は2000mの香港カップでG1初制覇を狙う!
帰国後は距離の路線を少し延ばして阪神2000mの鳴尾記念2着や、京都2400mの京都大賞典1着など、2000m以上の重賞で活躍してきました。前走のエリザベス女王杯は武豊騎手がヒザ靭帯損傷で自重したため急遽代打の川田将雅騎手で参戦しましたが、6着に敗退。今年の香港国際競走では手綱は武豊騎手へ戻り、距離も去年から2ハロン短縮した2000mの香港カップへ向かうかたちとなりました。シャンティのコースも経験済みですし、今年は距離も2000mに短縮され、手綱も主戦騎手に戻るなら、巻き返してのG1初制覇にも期待ができそうです。
今年で7歳となるスマートレイアーですが、使っているレース数も少なく、繁殖牝馬としても今後が期待されている馬です。これが最後のG1となる可能性は十分にあると言っていいでしょう。海外での初戴冠となるかが注目されます。
香港カップには他にも2頭の日本馬が参戦。ネオリアリズム(牡6、美浦・堀宣行厩舎)とステファノス(牡6、栗東・藤原英昭厩舎)です。
ネオリアリズムは昨年は香港マイルに出走して9着に敗退。今年は4月にシャンティ競馬場の2000mで開催されたクイーンエリザベス2世カップ(G1)をJ.モレイラ騎手で勝利しており、同コースでの勝利実績があります。香港へは今回で3度目の遠征で慣れたもの。今年もモレイラ騎手とのコンビで、シャンティで2度目のG1制覇を狙います。
ステファノスは昨年は香港カップに出走し、C.スミヨン騎手とのコンビで3着に入着。1着馬のモーリスには離されましたが、同年の天皇賞秋でも3着、今年の大阪杯でも2着に健闘しており、2000mのG1ではもはや常連といっていい馬です。香港遠征も今回で4度目とこちらも常連で、今年は17年ワールドベストジョッキーにも選ばれたH.ボウマン騎手とのコンビで参戦。2015年のクイーンエリザベス2世カップでは2着に入着しており、同コースとの相性は抜群。G1タイトルが無いのが不思議なくらいで、悲願のG1初制覇を狙って今年も得意の舞台に参戦してきました。
昨年は日本馬のモーリスが2着馬に3馬身差をつける圧勝を果たした香港カップ。今年も日本の精鋭達が送り出されました。日本馬による連覇を果たせるのか?そしてその連覇を果たすのは一体どの馬なのか?今年も大注目の一戦となりそうです。