【朝日杯FS予想2017】武豊✕アサクサゲンキ、距離延長が課題

1988年、デビュー2年目にしてスーパークリークで菊花賞を勝利し、初のG1制覇を果たしてからは今日に至るまで勝ちに勝ちを重ね、2011年と2014年を除く毎年のようにG1勝利を積み上げてきたJRAのレジェンドジョッキー武豊騎手。2012年にサダムパテックでマイルチャンピオンシップを勝利したことにより、中央平地G1完全制覇へ残す所「朝日杯フューチュリティステークス」のみとし、リーチをかけた。

話題性において競馬界では右に出るものはいないであろう武豊騎手だが、特にこの年以降の朝日杯FSの乗鞍については非常に注目されることとなった。千載一遇のチャンスとなったのが2年前のエアスピネル。いくら武豊騎手といえども毎年のように期待馬を手にするのは難しいが、この年は単勝1.5倍の圧倒的人気を背負い満を持しての出走となった。

レースでは最終コーナーを回り手応えを持って先頭に立ったものの、リオンディーズに差され3/4馬身で及ばなかった。後日トークイベントではリオンディーズの鞍上M.デムーロ騎手に対し「空気の読めないイタリア人」と笑いを誘う場面もあったが、内心の悔しさは計り知れないだろう。

数々の記録を打ち立ててきた武豊騎手でも苦労するほどの偉業に挑戦しているということだが、今年から大阪杯・ホープフルステークスの2レースがG1昇格で完全制覇が遠のいたこともあり、一旦熱も冷めると思われた。そんな矢先にキタサンブラックで大阪杯優勝で決めたことで、今年もまた武豊騎手の朝日杯FSでの騎乗馬に注目があつまる。

小倉で重賞を勝利している良血統だが距離が若干長いか

今年武豊騎手が騎乗するのは栗東・音無厩舎管理のマル外・アサクサゲンキ。小倉2歳ステークスを3番人気で出走し見事優勝したが、続く京王杯2歳Sでは3着敗退となった。惨敗ではないが1200mから1400mへの距離延長に失敗し、今回はさらに1F延長、しかもG1ということで相手関係も強化されることは間違いないため苦戦を強いられることになるだろう。

京王杯2歳Sで0.4秒先着し優勝したタワーオブロンドンも今回出走してくるうえ、タワーオブロンドンは新馬戦で1500mも勝っているため距離不安という面でもアサクサゲンキよりは優位にたっている。アサクサゲンキは現状では穴人気といったところかもしれないが、半姉には今年のローズSを勝利し秋華賞でも上位に食い込んだラビットランがいる。

距離不安はあるうえ、鞍上にとってもはや苦手とも言ってよいレースかもしれないが完全にノーチャンスというわけではない素質馬で出走が出来る。ホープフルSにもデイリー杯2歳S勝ち馬のジャンダルムで出走が見込まれているため、一挙制覇はさすがに考えが甘いかもしれないが偉業達成の夢は見てもいいのではないだろうか。