2015年の秋のG1シリーズは1番人気による勝ちも多く、波乱の多かった去年に比べると平穏な結果が続いている印象だ。スプリンターズSのストレイトガール、秋華賞のミッキークイーン、天皇賞秋のラブリーデイといったように今年は1番人気がきちんと期待に応えている。しかし、先週のダートのG1「第16回チャンピオンズカップ」では1番人気のコパノリッキー(武豊)、2番人気のホッコータルマエ(幸英明)の人気上位2頭が大敗し、12番人気のサンビスタ(M.デムーロ)が優勝して波乱を演じた。
単勝は66.4倍、3連単で31万8,430円、WIN5ではなんと2,000万円を超える超高額配当が出た。これまで有力馬による決着が多かっただけに、単勝12番人気の快走劇に打ちひしがれたファンも少なくないのでは。
阪神JFは波乱も多く難解なレース
そんな流れの中、今週末に行われる「第67回阪神ジュベナイルフィリーズ」は、2歳牝馬の女王を決める唯一の2歳牝馬限定のG1レースである。2歳で出走レース数も少なく、まだまだ発展途上な馬が多いだけに難解なレースである。過去10年で1番人気が優勝したのは2回のみと少なく、さらに2012年には2桁人気の馬が2,3着に入着し、3連単で304万という超高額配当が飛び出す大波乱も起きている。
馬の2歳は人間で言うと8~10歳くらいの年齢だと言われている。阪神JFは2歳牝馬限定戦なので、小学校3~4年生くらいの女の子によるレースだと思ってよいだろう。まだまだ伸びしろだらけで無限の可能性を秘めている。しかし、2012年の阪神JFで人気上位馬がこぞって精彩を欠いて敗れてしまったように、若いがゆえにモロさも兼ね揃えている。強いとされる有力馬でも、絶対的な信頼を寄せるのは危険かもしれない。
今年も混戦模様!主な有力馬4頭を紹介
メジャーエンブレム(牝2、美浦)
デビューからの2戦が好位から押し切った強い勝ち方だったメジャーエンブレム(牝2、美浦)。前走のアルテミスS(G3)では初の重賞挑戦で2着に健闘した。早めに先頭に立ち直線では後続を突き放しにいったが、離れた外からデンコウアンジュが強襲して差されてしまった。それでもこの世代の上位のち力は見せつけた。本番でも上位争いが期待される。
キャンディバローズ(牝2、栗東)
デビュー戦は2着に敗れて落としているが、デビュー3戦目で迎えたファンタジーS(G3)ではすでに重賞を勝っていたブランボヌールをおさえて見事に重賞初制覇を果たした。若駒によく見られる症状で、急激な調教や過度の調教、装蹄の悪い場合などによく起きる「ソエ」が見られたが、今はすっかり治まったようだ。馬体も小柄な馬だがしっかりと走る馬で良い状態がキープできていれば。
ブランボヌール(牝2、栗東)
新馬戦→函館2歳S(G3)と連勝し、早くも重賞初制覇を果たしたディープインパクト産駒。前走のファンタジーSでは3ヶ月半ぶりの休み明けだったが、好位につけて直線では内をついて3着に食い込んだ。1200~1400mを走ってきているので、今回距離延長で初のマイル戦となるが、どこまでやれるか。重賞戦を連戦して好走しているだけに注目したい。
アットザシーサイド(2歳、栗東)
デビューから負けなしの2連勝で今回は重賞初挑戦となる。デビュー2戦目は馬体重-10kgだったにも関わらず、直線では狭い馬群をスムーズに割って伸びてきた。鞍上のC.ルメール騎手による綺麗な競馬が光ったレースでもあった。阪神JFでは三浦皇成騎手に乗り替わりとなる点や、前走の馬体もギリギリなところだったため本番の馬体重なども注意して見ておきたい。