牝馬戦線では圧倒的な存在感を示すミッキークイーンですが、去年はジャパンカップで8着、有馬記念で5着と牡馬強豪相手となるとやはりあと一歩足りないという印象です。
しかし今年は宝塚記念で3着に入着し、初めて牡馬強豪相手のレースで馬券圏内を確保しました。その後のエリザベス女王杯で2年連続3着に入着したのはもどかしい結果でしたが、4角で大きく大外に持ち出されてもなお最後は止まることなく33.7秒で3F1位タイという内容。負けて強しの内容だったと言えるでしょう。
ミッキークイーンの強みは何と言ってもこの末脚。前走のエリザベス女王杯では持続力もあることを証明してくれましたし、ぶっつけのエリザベス女王杯を叩かれて上積みにも期待できる状態なのではないでしょうか。
しかし、トリッキーな中山コースで求められるような器用さを持ち合わせているわけではないので、緩いペースから急激にペースを引き上げるような展開で、ギアチェンジが問われるような展開となると厳しくなりそうです。瞬発力があるタイプではないのでエンジンがかかる前に終わってしまうパターンというのはこの馬が負ける時のよく見るパターンです。なるべく早く仕掛けていき、脚を出し切って勝つのが理想的でしょう。
展開面ではどうか?早めに仕掛けたいミッキークイーン
今回は前にいるであろうキタサンブラックとそれをマークしている馬がどういう競馬をするかによって展開は変わってくると思いますが、ギリギリまで動かず一気に動かれる展開となるとミッキークイーンにとっては厳しい展開となりそうです。しかし、逆にキタサンブラックを取り巻く先団が早め早めの仕掛けをした場合は浮上の余地は十分にあるでしょうし、他にもサトノクラウンといった利害が一致している馬もいるので展開面での期待は十分見込めます。
ただ、有馬記念という大きな舞台であるが故に騎手も普段より慎重な動きをする可能性があります。そういった中でもミルコ騎手やルメール騎手は大きな舞台でも思い切りのある手を打ってくれるのですが、今回はミルコ騎手はギリギリまで脚を溜めてそうなスワーヴリチャードに騎乗ですし、ルメール騎手も伸び始めが早くてキレ味のあるクイーンズリングなら早く仕掛けにいくこともなさそうです。
ミッキークイーンのデビュー戦からコンビを組む主戦の浜中騎手が今回も手綱を握りますが、自ら動いて仕掛けにいくくらいのことはしてもいいのではないかと思います。足りずに着を拾えないというパターンよりは、勝負をしにいって負けた方がこの馬を応援しているファンにとっても納得がいくというものでしょう。宝塚記念を見る限りでは今回のメンバー相手なら十分通用する能力は持っているはずです。一年で一番多くのファンが見守る暮れの大一番で、改めて底力を証明してもらいたいところです。