今週は香港における芝2400m路線の最高峰「香港ヴァーズ」が香港のシャティン競馬場で開催されます。日本調教馬もこれまで延べ25頭が出走し、2001年のステイゴールド、2016年のサトノクラウン、そして2019年のグローリーヴェイズの3頭が優勝しており、日本馬との相性も良いレース。
ウインマリリン(牝5、手塚貴久厩舎)
秋初戦のエリザベス女王杯で2着に好走したウインマリリン。今年初戦の大阪杯は16着、続く宝塚記念は7着と春のG1戦線では結果を出せませんでしたが、2走前の札幌記念・3着からエリザベス女王杯・2着とひと夏を超して成長を見せています。とくにエリザベス女王杯は差し馬勢が上位を占めた中、好位の一角から逃げ馬を捕らえに動く正攻法の競馬で唯一上位争いを演じる強い内容でした。右肘の持病も良化してきている様子で、スピードをしっかり持続することが出来ています。スタミナ・パワーに秀でており、香港の洋芝もこなせそうな気配は十分。前走に続きD.レーン騎手とのコンビで完全復活を果たせるかに注目です。
グローリーヴェイズ(牡7、尾関知人厩舎)
2019年と2021年の香港ヴァーズを制し、史上初3度目の勝利を狙っての参戦となるグローリーヴェイズ。前走の札幌記念は6着と秋初戦は敗戦からのスタートとなってしまいましたが、2019年の香港ヴァーズは京都大賞典・6着から、2021年はオールカマー・3着から臨んで快勝しており、G2敗戦からの臨戦態勢はいつものパターンとも言えます。昨年春のクイーンエリザベス2世Cでも2着に好走しており、香港シャティン競馬場の適性の高さは国内でトップクラスと言って良いでしょう。ここを制して史上初の3勝目を果たすことができるかに注目です。
ブルーム(牡6、A.オブライエン厩舎)
前走BCターフ・6着から参戦するブルーム。昨年は凱旋門賞を武豊騎手とのコンビで挑み、11着に敗退。今回は凱旋門賞ぶりに再びコンビを組んで復権を狙います。BCターフ後はジャパンCを予定していましたが、態勢が整わず自重。香港ヴァーズに目標を変えて調整されてきました。直近5戦連続で馬券圏外と調子を落としていますが、前走のBCターフは押していく積極的な競馬を展開しながらも直線はしっかり伸びての6着で、悲観するような競馬ではありませんでした。6月は英国G2のハードウィックSを大外枠スタートから逃げて快勝しており、高い先行力が魅力です。課題となっているスタートさえ決まれば勝ち負けの可能性は十分ありそうです。