自身がG1を勝つことはもちろんですが、その息子、娘がさらにG1勝利を積み重ねるのはライバルの多い競走馬の世界では一筋縄でいかない大変なことだと推測されます。
そんな中でも今年行われたエリザベス女王杯ではモーリス産駒のジェラルディーナがG1初勝利を達成し、母ジェンティルドンナに新たなトロフィーを捧げました。
G1馬を1頭輩出するだけでも偉業と言える世界ですが、すでに3頭のG1馬を輩出しているシーザリオは日本でも屈指、稀有な繁殖牝馬といえそうです。
残念ながら昨年の2月に、子宮周囲の動脈断裂による出血性ショックのため繋養先のノーザンファームで亡くなっており、今年の2歳馬が最後の仔となり、その期待の星が今週土曜の中山5レースのメイクデビューでベールを脱ぐことになりました。
この血統はこれまで関西に主に預けられてきましたが、テンペストと名付けられた最後の産駒は美浦・国枝厩舎で管理することとなりました。父がロードカナロアということもあってか芝1600mデビューとなっています。
この後、距離延長、あるいは短縮するかは今回の結果次第というところもありそうですが、兄のエピファネイアをはじめ、父はかわっても母のスタミナ、持久力をうまく受け継いでいる産駒が多いこともあり、桜花賞、NHKマイルカップという路線ではなく、アーモンドアイ、アパパネを育てた国枝厩舎にとっても3頭目の牝馬3冠を狙えるポテンシャルのある血統だけに、デビュー前とはいえ今後も含めて要注目の1頭です。
美浦所属のキャロットファームの有力馬を任せられることが多い横山武史騎手を今回は確保しており、皐月賞を制したエフフォーリアに続いて、横山武史騎手にとっても来年のクラシック戦線を沸かせられるコンビ誕生となるか、楽しみなレースといえそうです。