YouTuberのヒカル氏と言えば、今年8月に個人が発行したVA(仮想株式)を売買できるサービス「VALU(バリュー)」で、高騰した自身のVAを売り抜けたことで価格が急落する騒動が起き、ツイッターなどでは「詐欺行為だ」「だまされた」などと批判が相次いで炎上したことが記憶に新しいですね。その後は動画で謝罪をし、活動を休止することを発表しておりました。
しかし、先月11月には動画やTwitterも復活し、正式に活動を再開。そして今月の12月17日には自身のTwitterで「12月24日にある競馬の有馬記念にいくら賭けるかをリツイートの数で決めます。リツイートの数✕100円賭けるのでたくさん賭けてほしい人はリツイートしてください!上限は1000万円です。」とツイートし、過去に配信していた視聴者参加型の高額馬券購入動画配信を再び始めることを宣告しました。
ヒカル氏は過去にも宝塚記念でキタサンブラックの単勝に1000万円、1着固定の3連単に340万円、計1340万円の馬券を購入するなど高額な資金を費やして競馬の馬券を購入する動画を公開しておりました。宝塚記念ではキタサンブラックがまさかの馬券圏外という決着となり馬券は大きく外れましたが、視聴者が選んだ買い目とヒカル氏自身が選んだ買い目を合わせた高額馬券で勝負するという企画の動画は400万回を超える視聴回数を記録し、多くの視聴者の注目を集めました。
馬券は外れましたが、今後も競馬のレースで似たような企画をしていきたいと動画内でも話しており、次回は世界最高峰の競馬レースのひとつとしても知られる凱旋門賞で企画される話も出ておりました。しかし、その後間もなくVALU騒動が起こり、ヒカル氏が活動休止を発表したことでこの企画は行われることはありませんでした。
活動休止から2ヶ月半で復帰、有馬記念で1000万企画を再びスタート!
しかし、活動休止宣言から2ヶ月半で活動を再開し、途中だった競馬の1000万企画を有馬記念で再開と、早々に復帰を果たします。お金の使いっぷりはまだまだ健在の様子ですが、リツイートの数はまだ上限の1000万円分には達してはおらず、以前に比べるとやや苦戦はしているようです。それでもすでにリツイート数は3万を超えており、300万円以上の額をかけることは確定しております(12/22時点)。詳しい買い目や購入額などについては今後自身のチャンネルで一部始終を動画配信する予定となっており、上限に達した際の1000万円の使い方についても簡単に動画で説明されております。
その内容は、3連単3頭ボックスをバラバラに10通りで1点5万円で、6点✕5万で30万円。これを10通りで合計300万円。さらに、残りの700万円はヒカルの動画でも度々登場している店長とお婆ちゃんに買い目を決めてもらい、これをレース後に動画で公開するというものです。今後内容は変わる可能性があるので、詳細については今後配信されるヒカル氏の動画をご覧になって下さい。
YouTuberヒカルは復帰後どのように活動していくのか?
最近、某メディアでは企業の若者向けのマーケティングや広告宣伝について「しょうもない芸能人を使っているから」と率直な意見を述べており、うわべの感じや心から薦めている感じがしないということが商品の売れ行きが低迷している理由の一つであると紹介しておりました。
たしかにYouTuberは15秒程度のテレビCMと違って長く宣伝ができ、企業や事務所に与えられただけの内容ではなく、自分自身の自由な意見を持って伝えることができます。これはまさにYouTuber強みであり、これによって視聴者は商品やサービスなどの詳細をより間近に感じることができ、本質的な魅力を知ることができます。
ヒカル氏が企画している競馬の企画においても同じことが言えるでしょう。例えば、JRAが配信しているCMでは、おそらく実際は競馬には興味がないであろう芸能人があたかも競馬に興味があるような演技でG1レースを宣伝しているように見受けられますが、これに違和感を感じるファンも少なくないのではないでしょうか?もちろん実際にプライベートでも競馬が大好きな芸能人はおりますが、仕事のために競馬好きを演じているアイドルなどがいたり、G1レースの特集などでは明らかに競馬に興味のないアナウンサーがゲストで呼ばれたトップジョッキーとレースの解説などをしていたり、競馬ファンとしては見ていて不快感を覚えることも少なくありません。
対してYouTuberというのは自分自身が興味のあることを配信しているケースがほとんどですし、商品やサービスの宣伝方法もYouTuber個人が独自で考えることが多いです。視聴者の反応によって買い目や金額が決まる視聴者参加型の企画で、1000万円という現実離れした馬券でレースの一部始終を一緒に見て楽しめるというのはYouTuberならではの宣伝方法と言えるでしょう。さらに、配信者であるヒカル氏自身が実際に馬券を購入しているのでうわべっぽさや嘘っぽさもなく、レース前のドキドキ感や緊張感、そしてレース中の馬の応援、レース後の反応などは、我々競馬ファンが競馬を楽しむ姿そのものです。競馬に全く興味のない芸能人を起用したCMに数千万円単位の広告費を使うよりも、実際に1000万円を使って馬券を購入してレースに参加する様子を配信した方が、より競馬の魅力を伝えられるのではないかと感じるのは筆者だけでしょうか?
VALU騒動では実際に多くの人に迷惑をかけ、YouTube界にも悪いイメージを付けてしまったことは事実であり、否定的な意見を持つ人が増加する理由も理解できます。よって無条件にヒカル氏を擁護するわけにはいきませんが、企業のマーケティングなどについてのヒカル氏の指摘や、彼が配信するサービスは価値があるものであるとも感じます。