21日(日)は中山競馬場で「アメリカJCC」が開催されます。古馬中距離戦線を展望する重要な一戦で、暮れの有馬記念からここへ駒を進めてくる馬や、春のG1戦線へ向けてここから始動する馬も多く、例年レベルの高い一戦が繰り広げられているレースです。
今年はゴールドアクターやミッキースワロー、昨年の覇者のタンタアレグリアなど、現時点でも注目度の高い馬達の出走が予定されております。今回は3頭の有力候補を考察してみたいと思います。
ゴールドアクター(牡7、中川公成厩舎)
昨年の宝塚記念では2着に入着し、そこから休養に入り長期で休んでおりました。有馬記念へ出走する話も出ておりましたがが結局間に合わず休むことに。今回は約半年以上ぶりの出走となります。
今年は春の大阪杯を目標にここから始動。近2戦でコンビを組んでいた横山典弘騎手は今回ミッキースワローに騎乗予定のため、鞍上は初コンビとなる武豊騎手で挑みます。4歳時で有馬記念優勝を果たし、5歳時はG2の日経賞やオールカマーを制すなど中距離戦線で活躍を見せている一頭です。キタサンブラックが抜けた今の古馬戦線なら、十分トップを張れる馬です。実績はメンバーの中では抜けておりますが、状態を整えるのに苦労した馬で体調面の不安は残るので、当日はパドックでしっかりとチェックしておきたいところです。
ミッキースワロー(牡4、菊沢隆徳厩舎)
明け4歳のミッキースワローは前走10月の菊花賞で6着。その前にはセントライト記念を勝っており、2000m以上の中山コース成績は「2-0-0-1」と好成績。菊花賞6着も雨でズブズブの馬場でしたし、そんな中でも一旦は3番手まで浮上し、結果0秒8差の6着ならそこまで悲観する内容ではありません。馬場さえ悪くならなければ本来の末脚が見られる可能性は高く、皐月賞馬のアルアインを抑えて優勝したセントライト記念と同じ中山が舞台なら、巻き返しも十分に可能でしょう。
キレ味抜群の末脚がこの馬の一番の武器ですが、使える脚はそこまで長くありませんので、脚の使い所がポイントとなりそうです。約3ヶ月弱間隔が空いておえりますが、歴史的な極悪馬場となった前走の菊花賞後の疲れを取るためにここまでじっくりと待機したのは良い選択だったのではないでしょうか。得意の舞台で良馬場なら変わり身があっても良さそうです。
タンタアレグリア(牡6、国枝栄厩舎)※未登録のため出走せず
昨年の覇者のタンタアレグリアは今年も連覇を狙って参戦。同競走優勝後は日経賞へ進む予定でしたが、右前肢深管骨瘤により回避。その後は秋のオールカマーで復帰し、勝ち馬とは0.1秒差と差のない3着に入着しました。その後はジャパンカップへ向かう予定でしたが、左トモ(後肢)に疲れが出てジャパンカップを回避。前走から間隔が空いておりますが、昨年同競走を勝った際も約8ヶ月ぶりのレースでしたので鉄砲駆けはできるタイプです。
なかなか順調に使えないところがありますが、出てくれば堅実に走る馬。現在2戦連続で中山の芝2200mを走っており2戦連続で馬券圏内に入るなど、中山は相性がいい舞台です。一昨年は菊花賞4着、昨年は天皇賞春4着と、G1戦線でも善戦している実力の持ち主ですし、状態さえよければ連覇の可能性は十分あるでしょう。
以上、アメリカJCCの有力馬3頭を紹介させていただきました。今年は上位に中山巧者が揃っており、なかなか見応えのありそうなレースとなりそうです。「第59回アメリカJCC」は2018年1月21日(日)に中山競馬場にて15時45分発走予定。