1月7日に京都競馬場で引退式を終え、今後は北海道の牧場で種牡馬としての生活を送る予定となっているキタサンブラック。
気になる初年度の種付け料は500万円でした。この金額については賛否両論あるようですが、通常の初年度種付け料の相場が50万~200万円であることを考えると、かなり高額な金額がついたと言っていいのではないでしょうか。
しかし、値段が高かったのは良いのですが、400万円のモーリスとドゥラメンテ、800万円のロードカナロアなどは発表後即満口となった一方で、500万円のキタサンブラックは発表後2週間たっても満口にならない状況が続いております。生産者の評価は以外にも低いということなのでしょうか?
キタサンブラックの種牡馬としての評価は?
キタサンブラックはブラックタイド産駒ですが、血統的背景としては産駒実績を見てもそこまで強いとは言えない血統です。
まず、父ブラックタイドと母父サクラバクシンオーという血統で晩成のステイヤーが生まれる事自体が稀であり、他の産駒に比べても群を抜いた強さと実績があるキタサンブラックはある意味同産駒の中でも突然変異の馬と言ってもいいかもしれません。一時期ネットの某掲示板では「実は父ブライアンズタイム説」なんて冗談半分の噂がたったほどです。まあそんな噂話はいいとして、競馬の世界は父系の血統がとくに重要視されることが多いので、そう考えるとキタサンブラックの子供にキタサンブラックの強さがそのまま受け継がれるとは限らないことは容易に想像できますし、生産者の立場ならなおさら気にかけるポイントでしょう。
キタサンブラック自身は非常に馬格のある馬なので、仕上げの難しさを懸念したり、さらに晩成でステイヤー寄りということで生産者としては敬遠したくなるような条件が多いのも事実です。上記でも記したように確かに突然変異的な要素が濃い馬ですが、ブラックタイドの種牡馬としての隠されたポテンシャルを引き出したという印象もあり、逆に250万円のブラックタイドをつける方が面白いのではないかという見方をする人も少なくないのではいでしょうか。
何れにせよ、生産者にとって投資先の選択である種牡馬の選択は自社の利益に関わる非常に重要な検討課題です。G1・7勝で2年連続年度代表馬と実績的には申し分ないキタサンブラックですが、種牡馬としてのデビューは足踏み。生産者はまだまだ慎重に先行きを見極めようとしているといった状況のようです。