クラシックを見据えた馬たちの参戦が多く、登竜門的な位置付けが強い一戦となる「シンザン記念」が今週、中京競馬場で開催です。早々と勝ち上がった昨年の有力2歳勢は暮れの2歳G1に出走することが多く、新馬・未勝利を勝ち上がったばかりの参戦が目立つ、難解な明け3歳馬の重賞となるのがこのシンザン記念です。

「金杯取れなかったらシンザンで」というファンも少なくないと思いますが、朝日杯FSは1～3番人気の堅実決着、ホープフルSは二桁人気の大穴が優勝しており、この時期のこの世代馬は評価が非常に難しく、的中の難度は高めです。ここをステップに大きく羽ばたいた馬も多く、“出世レース”としても人気を集める一戦ですが、今年は7頭立てと久々に少頭数での開催となりました。紛れの少なそうな頭数で行われる今年は、素直に能力上位の馬から狙うのが良いでしょう。

となれば、マイルの持ちタイムがメンバートップのライトクオンタムは外せない1頭です。東京マイルで行われた前走のデビュー戦は、緩やかなペースで逃げてそのまま2馬身半差の完勝。負かした2着馬も次戦の未勝利戦をしっかり快勝しており、タイムも同週の古馬2勝クラスより0秒3も速い好時計をマーク。キャリアの少ないメンバーの中で、この馬の勝ちっぷりは能力上位を十分に感じさせてくれています。

控える競馬も見てみたいという気持ちもありますが、この頭数で2枠2番の好枠スタートならすんなり行かせてスピードを活かした競馬を展開すれば、まず勝ち負けは必至でしょう。

さて、難解なのは相手選びの方。今年はどの馬がつっこんできてもおかしくないようなメンバー構成となっています。そんな中でとくに注目しているのが、前走万両賞・2着から参戦するペースセッティングです。

前走は番手追走から抜け出す競馬で2着。2走前の京王杯2歳Sは中団で控える競馬を展開し4着、その前の未勝利戦は逃げ切り勝ちと、いずれも違う競馬場・違うかたちの競馬ながらしっかりと上位争いを演じているのは高く評価したい点です。

ただ、逃げて勝った未勝利戦の内容が良く、鋭い脚は持っていませんがじわじわと伸びており、やはり先行した方が良さが出そうなタイプであると感じます。この少頭数の中、枠入りで待たされず内で包まれるリスクも少ない大外枠を引けたのは、むしろ好材料。前目のポジションをしっかり取って折り合えば、最後は見せ場を作ってくれるはずです。

ということで今年のシンザン記念はライトクオンタムとペースセッティングの2頭を中心とした馬券で勝負したいと思います。いずれも人気が予想される馬ということで妙味は少なめも、ここは2頭に絞った少点数の馬券で狙い撃ちしたいと思います。