七夕賞は波乱が多い?各種データから傾向を分析してみる。

波乱の多い七夕賞

七夕賞は福島芝2000mで行われるハンデの重賞戦である。このレースは波乱の多いレースとして穴党には人気のレースであり、近3年でも2ケタ人気の馬が馬券に絡んでおり、その波乱ぶりは健在。しかしこのレースの難解なところは人気馬での堅い決着もそれなりにあるし、穴の好走も少なくないのでつかみ所のないレースなのである。過去のデータを見ながらその傾向を見抜いていきたいと思う。以下には過去10年の1~3着の各種データをまとめてみた。

1~3着馬の人気・前走データ

1~3着(人気) 前走 前走着順(前走人気)
2005 1-ダイワレイダース(1人気) エプソムC(G3)  3着(7人気)
2-トーセンダンディ(8人気) エプソムC(G3)  7着(16人気)
3-グラスボンバー(3人気) 湘南S(1600万下)  1着(5人気)
2006 1-メイショウカイドウ(3人気) 佐賀記念(G3)  5着(2人気)
2-コンゴウリキシオー(1人気) 金鯱賞(G2)  1着(3人気)
3-グラスボンバー(2人気) エプソムC(G3)  2着(3人気)
2007 1-サンバレンティン(6人気) エプソムC(G3)  8着(10人気)
2-アドマイヤモナーク(2人気) 目黒記念(G2)  4着(8人気)
3-ユメノシルシ(3人気) 福島テレビOP(OP)  1着(3人気)
2008 1-ミヤビランベリ(7人気) 関ヶ原S(1600万下)  13着(3人気)
2-ミストラルクルーズ(11人気) ダイヤモンドS(G3)  14着(5人気)
3-マイネルキッツ(3人気) エプソムC(G3)  5着(6人気)
2009 1-ミヤビランベリ(1人気) 目黒記念(G2)  1着(8人気)
2-アルコセニョーラ(4人気) 福島テレビOP(OP)  6着(3人気)
3-ホッコーパドゥシャ(2人気) 福島民報杯(OP)  9着(7人気)
2010 1-ドモナラズ(11人気) 福島テレビOP(OP)  4着(7人気)
2-アルコセニョーラ(6人気) ヴィクトリアマイル(G1)  17着(17人気)
3-サンライズベガ(1人気) 産経大阪杯(G2)  10着(3人気)
2011(※) 1-イタリアンレッド(7人気) マーメイドS(G3)  4着(3人気)
2-タッチミーノット(2人気) 被災地支援新潟大賞典(G3)  6着(1人気)
3-アニメイトバイオ(4人気) エプソムC(G3)  7着(3人気)
2012 1-アスカクリチャン(14人気) 東京新聞杯(G3)  10着(11人気)
2-トーセンラー(1人気) 鳴尾記念(G3)  3着(5人気)
3-ミキノバンジョー(7人気) 福島テレビOP(OP)  1着(5人気)
2013 1-マイネルラクリマ(1人気) 都大路(OP)  2着(1人気)
2-トレイルブレイザー(7人気) ドバイシーマ(G1)  11着(6人気)
3-タガノエルシコ(14人気) 米子S(OP)  8着(8人気)
2014 1-メイショウナルト(5人気) 鳴尾記念(G3)  11着(7人気)
2-ニューダイナスティ(10人気) 仁川S(OP)  10着(8人気)
3-マイネルラクリマ(1人気) エプソムC(G3)  2着(4人気)

※'11年は震災の影響で中山開催。

5番人気以下の好走が目立つ

1番人気による勝馬は過去10年で3頭おり、全体の成績も【3-2-2-3】と信頼度は悪くない。なんだ、ちゃんと人気馬が勝ってるじゃん?と思うかもしれないが、優秀なのは1番人気だけで2~4人気の実績はイマイチなのである。むしろ5番人気以下の好走が目立っている。5番人気以下の馬は'06年と'09年の2回以外は毎年2着以内に入ってきている。連対率が80%という驚異的な数値を叩きだしているのだ。さらにそのうち2ケタ人気の馬が4頭もおり、穴馬が好走しているのだ。過去10年で2ケタ人気の穴馬が2着以内に4頭も・・・これは高配当も期待できそうだ。
1番人気の信頼度はそこそこ、しかしそれと同時に人気薄の好走も目立つので堅実さと波乱の両方の一面を持つ難しいレースであることがわかる。人気の実力馬を軸に妙味のありそうな穴馬を絡めていくのが良さそうだ。

前走大負けしていても巻き返しがある

前走が重賞組の成績は【7-8-5-69】とOP組の成績【2-2-4-37】に比べて良く、母数も多いがキチンと成績を残してきている。まずは前走が重賞の馬から考察していくのがベストだ。中でもエプソムCは【2-1-5-16】と他の重賞レースに比べても七夕賞での好走が目立つ。前走の着順に関しては、前走2ケタ着順で負けている馬でも巻き返すことが多いので、前走大負けしている馬でも、この馬今回は一発ありそうだぞ?といったような穴馬を見つけるのがポイントかも。

今年も波乱の予感?

今年も前走着順が3着以内の馬が2頭しかいないという、混戦必至のメンバー構成となっている。夏になると急激に調子を上げてくるせん馬の典型メイショウナルトに、屈腱炎を乗り越えて復活を目指すトウケイヘイロー。この2頭の逃げ合い合戦も見ものだし、斥量が軽い馬も多く出走するので先行争いが激化しやすい福島2000mのコースで今年も波乱が起きそうな予感はたっぷりだ。穴党が歓喜すると言われる七夕賞であなたも一山狙ってみてはどうだろう?