中京競馬の土曜メインはダートのハンデスプリント「伊賀ステークス」が開催。2021年から新しく創設されたレースで、21年は6番人気が差し切り勝ち、22年は11番人気が差し切り勝ちと伏兵が台頭しており、なかなか一筋縄ではいかない一戦のようだ。
中京のダート1200mはスタート直後から上り坂で、3コーナーから徐々に下っていく。最後の直線は約410mと長く、直線序盤で高低差1.8mの急坂があり、ラスト1F手前あたりからは平坦となる。短い距離の中でもアップダウンが激しいコース形態となっている。
主に下級条件で行われるコースで下級クラスでは前が残りやすい傾向が見られるが、この伊賀ステークスは差しが決まっている。昨年は逃げ・先行馬が多かったということもあるが、前へ行く馬が多く揃っている今年も差し馬向き展開となる可能性は高そうだ。
今年はとくに前評判の高い馬に逃げ・先行タイプが多く、人気薄の差しも決まりそうな気配十分。近走後ろから強い競馬をしている馬で狙い目となりそうなのは、1月の初春Sで3着だったラヴケリーだ。
2走前の高砂特別からダートへ転身し、初戦からあっさり快勝とダートスプリントの適性が高いことを証明。続く前走の初春Sは四肢をバタつかせていたタイミングでゲートが開いてしまったため出遅れとなり、後方追走から最後はメンバー最速上がり3F36秒0の脚で伸びてなんとか3着に入線した。
もともと芝でも出遅れが目立っていた馬ではあったが、スタートさえスムーズなら勝ちきっていたとも見れる内容だ。鞍上の横山武史騎手がレース後に「何であのタイミングでスタートが切られたかが分かりません」とスターターに対する怒気が混じったコメントを残していたのも印象的だった。何れにせよ、直線で見せた末脚は間違いなく馬が強い証拠であり、スタートで後手をふんでから最後はしっかりゴールまで追って伸びての3着確保は、負けて強しの競馬であったと言えよう。
今回はダートでは初の左回りとなるが、長い直線の中京コースでこの末脚なら届いてもおかしくない。ハンデも55kgで前走から1kg減と恵まれており、驚くほど強いメンバーが相手ということもない。卒なくスタートをこなし、長い直線で堅実に脚を伸ばせばあっさり勝っても不思議はないだろう。妙味も十分ありそうで、思い切って重い印を打ってみるのも面白そうだ。