12月27日はいよいよ日本の年末の風物詩、有馬記念が中山競馬場で開催される。日頃競馬をしない方々も年末の有馬記念だけは買うといった人も多く、競馬ファンはもちろんのことだが幅広く人々に楽しまれているレースである。
今年の注目馬は何と言っても「芦毛の怪物」ゴールドシップだろう。今年は天皇賞春と阪神大賞典を優勝して重賞を2勝しているが、ゲート入りを嫌がりゴネたり、ゲート内で立ち上がって暴れたりと実績以外でも何かと注目されることが多い馬である。今年の有馬記念はそのゴールドシップの引退レースとなるので多くのファンの関心がこの馬に集まっている。また、有馬記念特有の傾向として引退レースにここを選んだ馬がラストを飾るという傾向がある点も見逃せない。2006年のディープインパクト、2013年のオルフェーブル、2014年のジュンテルドンナがいずれも引退レースを勝利で飾っている。ゴールドシップは有馬記念は今年で4度目の出走となり、過去に優勝経験もある。馴染みのレースで実績もあるし、ラストランの馬が勝つという傾向もあって多くのファンがゴールドシップの走りを楽しみにしていることだろう。
勝てば2015年の有馬記念は近年にない盛り上がりを見せることに!
ゴールドシップが優勝すればG1勝利数は通算で7勝となり、歴代G1勝利数ランキングでもトップに並ぶことになる。さらにラストランで手綱を握るのは内田博幸騎手という点も注目すべきポイントである。過去にゴールドシップで有馬記念を優勝に導いている騎手だが、2013年のジャパンカップで15着に大敗してからは主戦騎手から外され、以降ゴールドシップの手綱握ることは無かった。しかし、引退レースの有馬記念では内田騎手がゴールドシップの手綱を握ることになり、約2年ぶりに内田とゴールドシップのコンビが復活する。今でこそ横山騎手が主戦騎手という印象が強いが、騎乗回数は内田騎手が最も多く、G1・6勝のうち4勝は内田騎手が騎乗していたものであり、ゴールドシップを一番多く勝利へ導いている騎手なのだ。
有馬記念という大舞台でかつての名コンビが復活し、ラストランを制してG1・7勝という偉業が達成されれば競馬の歴史に新たなドラマが生まれることになる。そうなれば今年の有馬記念はさぞかし盛り上がることだろう。
最後の最後でやらかす?史上最大の番狂わせも・・・
しかし、これまでのゴールドシップのレースぶりを見ているファンならわかると思うがとにかくこの馬は一筋縄ではいかない。1.9倍という圧倒的1番人気に推された宝塚記念ではゲート内で立ち上がってスタートで2秒も出遅れて15着に敗れた。売上190億円のうち120億円くらいがゴールドシップ絡みの馬券だったそうだが、スタートで大幅に出遅れた際は会場が一斉に大きくどよめいた。これまで良い意味でも悪い意味でもファンの期待を裏切ってきた破天荒な馬で、馬券予想においても非常に難解な馬である。最後まで何があるかわからない馬なので、これまでの傾向やデータはアテにならないと思っておいた方が良いかもしれない。今回の有馬記念でも宝塚記念の時と同様に最有力候補となっている。宝塚記念後はゲート再審査に合格して前走のジャパンカップでも難なくスタートを決めているが、最後の最後でまたやらかすのではないだろうか・・・と不安に思うファンも少なくないだろう。
コンビ復活で歴代名馬につらなる名馬の仲間入りを果たし、感動的なドラマを生んでくれるのか?それとも史上最大の番狂わせを演じてくれるのか?いずれにせよ、長年競馬界を沸かせた主役で、ファンも多い馬。最後の走りはしっかりと目に焼き付けておきたい。