来月末に開催される高松宮記念の前哨戦として位置付けられている「阪急杯」。高松宮記念における阪急杯組の成績は、過去10年で3勝、馬券圏内の頭数も最多の11頭と好成績をあげており、本番を占う上でも重要なレースと言えるでしょう。
昨年のスプリンターズSを制し、連覇を果たしたレッドファルクスは阪急杯が今年の始動戦となります。前走のマイルチャンピオンSでは8着に敗れましたが、鞍上も距離が長かったと認めており、ベストではない距離で0.4秒差の8着ならそこまで評価を落とさなくても良さそうです。
不安材料は、鞍上?年齢?コース適性?
今回の鞍上は、主戦のM.デムーロ騎手が中山記念でペルシアンナイトに騎乗するため、川田将雅騎手とのコンビで臨みます。5歳春から手綱を握っている主戦のミルコ騎手からの乗り替わりは割り引きたくなる材料ですが、折り合いに関してのトラブルはなく、比較的乗りやすそうな馬です。今年は京都1200mのシルクロードSをファインニードルで制すなど早くも短距離重賞で優勝している川田騎手なら、上手く乗ってくれる可能性も高そうです。
一昨年のスプリンターズSを3連勝で勝利し、スプリント界に新星のごとく現れたレッドファルクスですが、今年で明け7歳とそろそろ衰えも心配となってくる年齢になりました。過去10年の阪急杯における7歳以上の馬の成績は「1-1-1-37」とあまり良くありません。具体的な数字を出して調べたわけではありませんが、折り合いやすい高齢馬が活躍する長距離戦と違って、馬の筋力や瞬発力といった身体的な面が大きく反映されやすいスプリント戦は、やはり若い馬の方が好走しやすいのではないでしょうか。
さらに、今回レッドファルクスにとって阪神の芝1400mは初コースとなります。1400mという距離はスプリンターとマイラーどちらも集まってくる難しい距離ですし、 また、京都コースなら快速自慢のスプリンターがスピードで押し切ってしまうこともありますが、阪神コースは直線に坂があり、スピードで攻め過ぎると止まってしまう可能性もあります。格に反して荒れやすく、高配当が頻出する特殊なコースとしても有名な阪神の1400mを克服できるかどうかもポイントとなってきそうです。
昨年はJRA賞の最優秀短距離馬にも選出され、今や短距離界を牽引する存在の一頭に成長したレッドファルクス。G1・2勝と王者の貫禄は非常に頼もしく、G1馬としての意地を見せたいところでしょう。