9日は佐賀競馬の交流重賞「佐賀記念」が開催。14年連続でJRA所属馬が勝利しており、3着内も全てJRA所属馬とJRA勢が圧倒的な成績を誇っている同レース。今年は佐賀競馬の名物重賞である吉野ヶ里記念と中島記念を制したリュウノシンゲンや地方重賞通算7勝のラッキードリームなど有力地方勢も揃った。
しかし、今年もやはり主役はJRA勢から。優勝候補の最有力候補に目されるのは、昨年のマーキュリーCの覇者・バーデンヴァイラーだ。昨年のマーキュリーCは早目進出から叩き合いを制して待望の重賞初制覇を達成。条件戦でも連勝を重ねていた実績からも、ここは最上位の存在と見て間違いないだろう。
2走前のシリウスSは3番人気の期待を裏切り15着敗退、続く前走のチャンピオンズCは見せ場なく14着敗退と近2戦は不甲斐ない競馬が続いている。ただ、シリウスSはレース前から緩さの目立つ状態で態勢が整っておらず、前走のチャンピオンズCはさすがにメンバーが強すぎてと、いずれも買い難いレースだった。
また、本来は前目からの競馬で高いパフォーマンスを発揮してくれるタイプだが、近2戦は後方から競馬を選択して敗れており、この馬の本来の力は出せていない。これは中京コースとの相性も良くなかったという可能性も十分ありえる。今回の佐賀競馬場は直線が200mと短い小さなコースだが、コーナーはそこまでキツくなく、高低差もほとんどない“クセ”の少ないコースだ。気性的な難しさもある同馬にとっては走りやすいコース形態と言えよう。距離が2000mへと延びる点は大きなプラスになるとは思えないが、ゆったり運べる佐賀の2000mなら問題はなさそうだ。買い難かった近2戦と比べると、ここは“確勝級”に近い扱いになるだろう。
とは言え、「信頼し切っていいものか」という想いがよぎるのはやはり“気性の難しさ”があるからだ。前走ブリンカーを着用したが効果も見られぬまま終わってしまったので、引き続き精神的な部分に結果を左右されることになりそうだ。そつなくスタートを決め、ある程度前目から進めることができさえすればここはあっさり勝てる舞台。メンバー的に苦戦するような相手ではないここは、まさに自分との戦いとなりそうだ。手綱を握るのは同馬とのコンビで3勝を挙げる福永騎手。シリウスSでは後方からの競馬となってしまったが、現役最後となるこの佐賀記念で、強気の競馬に期待したい。