桜花賞トライアルのチューリップ賞が今週末阪神で開催。登録時点で12頭と今年は少頭数だが、昨年のソウルスターリング、一昨年のジュエラーのように今年も抜けた人気馬が1頭いる。
オルフェーヴルの初年度の子、ラッキーライラック(牝3、松永幹夫厩舎)だ。ここまで新馬、アルテミスS、阪神JFと3戦全てを制して無傷で駒を進めてきた産駒期待のホープである。
同じく同競走に出走する予定である阪神JF・2着のリリーノーブルや、同競走3着のマウレアももちろん期待度は高い馬だが、負かした相手との再戦であるという点や、父の産駒としての命運がかかっているという点を考えれば、この馬が人気を集めることになると見て間違い無さそうだ。
しかし、阪神JFのレース内容的にはそこまで大きな差があるわけでもなく、個人的には抜きん出ているという印象はない。阪神JFのレースを振り返ってみると、緩い流れからしっかりと加速できたリリーノーブルと、待たされながらもしぶとく3着に伸びたマウレア。好内容だったこの2頭に勝ったことからも、確かにラッキーライラックは一枚上手だったと言えるだろう。ただ、リリーノーブルは前哨戦のラッキーライラックに対して仕上がりの面で有利に立てそうだし、マウレアも前走はラッキーライラックとほぼ同じ位置からだったので前目から仕掛けていくなど、位置取りと展開次第では逆転の目は十分ある。
総合力の高さにおいてラッキーライラックは高く評価されるべき馬であることは確かだが、上記で記したように他馬にが付け入るスキはまだまだあるし、過剰に人気する可能性がある一頭としても注意しておきたい。他馬とのオッズの差が開いているようなら、アタマの予想から外した馬券は妙味が付きそうだし、狙ってみる価値は十分あると言えるだろう。もちろん阪神JFの上位馬だけでなく、その他の新星が台頭してくる可能性もふまえて予想したい。