阪神競馬の土曜メインはダート2000mのハンデ戦・仁川ステークスが開催。ダート中距離路線の有力馬たちは前週のフェブラリーSや川崎記念といったダートG1へ向かうため大物の参戦は少ないが、過去の好走馬にはクリンチャーやサンライズソア、アポロケンタッキーなど、後にG1で結果を残す馬たちが多く存在している。今回もまだまだ将来が期待される馬たちが多く出走を予定しており、将来のG1馬が参戦する可能性が高いレースとしても注目しておきたい一戦だ。
混戦になりやすいハンデ戦ではあるが、過去10年の結果に限れば「1番人気」は【5-2-2-1】と好成績で、複勝率は90%と超堅実。コース形態的にも比較的オーソドックスな舞台となっており、実力は反映されやすいコース故にこうした傾向となっているのだろう。ここで1番人気に推される馬は素直に中心視するのが妥当に思える。
今年の1番人気は、昨年の茨木Sを5馬身差で快勝したヘラルドバローズが最有力か。同レースは稍重だったとはいえ、みやこSなどがあったこの日の阪神開催で唯一となる1分50秒台を計時。また、昨年のヒヤシンスSでは全日本2歳優駿で2着だったコンバスチョンからクビ差の2着に好走しており、早くから素質の高さを示していた。もともとダートマイルから中距離の王道レースを使われて結果を出してきた馬で、3勝クラスも一発目で快勝とレベルの高さは歴然だ。
ただ、前走のベテルギウスSでは7着に敗れており、この点だけが気がかりとなる。新コンビの川田将雅騎手を背に迎えた同レースはいつもの先行策ではなく控える競馬を展開。終始外をまわって直線も手応えが悪く、見せ場の無いまま7着に敗れた。脚抜きの良い馬場で結果を出してきた馬なだけに、良馬場は合わなかった可能性もありそうだ。血統的にも軽いスピードが活きるコースを得意とするエーピーインディ系ということで、“馬場”を敗因と見るファンも少なくないだろう。今週は前日が雨の予報となっており、同馬向きの馬場となれば改めて期待したい。
阪神コースは4戦3勝と好成績で、コース適性に関しての不安はない。当日の馬場がどこまで軽くなるかで信頼度は変わってきそうだが、馬場がマッチするようならためらわずに重い印を打ちたい1頭である。