中山競馬の10Rはダート1800mで行われるダートオープン「総武S」が開催。昨年はバーデンヴァイラーが2馬身半差をつけて逃げ切っており、インパクトのある勝ちっぷりだった。バーデンヴァイラーはその後盛岡競馬のG3・マーキュリーCを快勝し、今年初戦の佐賀記念を制すなど、ダート中距離戦線で活躍。この後のダート中距離重賞戦線を占う上で注目しておきたい一戦だ。
過去10年の脚質を見ると、馬券に絡んだ30頭のうち15頭が逃げ・先行タイプの馬で、ある程度前めのポジションが取れる馬が好走傾向にあると言えよう。
今年の出走予定馬で先行力を重視するなら、前走の招福ステークスを快勝したウィルソンテソーロが最上位か。今回の総武ステークスと同じ舞台となる中山のダート1800mを好位から追走し、勝負所でスムーズに上がって勝ちきった。当日は直線で上がりがかかるタフな馬場。そんな中でもスタートで躓きながらも速い二の脚を使えており、何事もなかったように馬任せのまま前につけて快勝した。多少の出遅れでも後方すぎる位置からの競馬となることは少ない馬だ。
ダート転向後無傷の4連勝でオープン入りを決め、勢いも十分。前走の勝ち時計もしっかりオープンクラス級で、余力もまだたっぷりあった。オープンなら即通用する実力があることは確かで、今回のメンバーだと時計面だけでも最上位の存在となる。重賞の壁は現時点ではまだ高いという印象だが、ここを勝てば重賞戦線でも注目を集める1頭になってくるだろう。
4連勝中の勢い、強い先行力、勝ち時計、能力の高さとどれをとってもここは最上位。人気を集める1頭となりそうだが、素直にウィルソンテソーロを中心視するのが妥当かもしれない。